なるたる―骸なる星珠たる子
作者:鬼頭莫宏
雑誌:月刊アフタヌーン
レビュー全文
7点
:あおはなさん
とかく6巻全体とのり夫、そして賛否両論なラスト(もとい概ねバッシングですが)について語られることが多い本作品。
そして「ぼくらの」と同一に語られることが多い本作品。
確かに主張の根幹は一緒なんだけど、完成度とか洗練さでいうとこちらは完全に破綻している部分があり明らかに「ぼくらの」のほうが洗練されています。
衝撃度だけはこちらのほうが格段に上なんですが。
「ぼくらの」はかなりのよく読まないと分からないけれど、キッチリあらゆる疑問に紙面で回答を与えているのに対して、本作は最後のほうで起こった事柄について明確に紙面で答えてくれていない部分があります。
よく読めば分かるレベルでは鶴丸は何故あのあとホントにツルマルになったのか(コレはよく読めばわかるレベル)ホシ丸のラストはあれどういう意味?(これものり夫のアタリなど竜になることを拒んだりなれなかった人の記述をよく読んでいる人なら)。でもシイナ生き返った明確な理由とかシイナの妊娠については分かる人にしかわからないくらいに不親切です。
多分読んだ人はこの全てが分かっているのだろうと私は信じていますが。
あと漫画家さんでこの作品で語られているような考え主張を心に秘めている人は実はかなり多いですが、その主張について作者自身の態度まで明確に字面で語っているのは私の知る限りでは鬼頭先生と古谷実先生だけです。本作では須藤が学校を辞めるときの会話がもっともダイレクトなものの一例。
ヴァンデミエールの翼のレビューでも触れたのですが、そういった意味でも鬼頭先生と古谷先生はおのずとその後の反比例する動きからの対比してしまいたくなるんです。
[ 2010-11-05 16:31:34]
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