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ぼくらの
作者:鬼頭莫宏

雑誌:月刊IKKI

 レビュー全文  

9点  :朔太さん 

鬼頭莫宏さんの作画は、個人的にはしっくりきません。
人物の表情に抑揚がなく、人物の差異が髪型や服装でしか
見分けることができず、男女の区別すらままなりません。
本作品で最初15名もの子供たちが登場すると、
もう何がなんだかわかりませんでした。
そんな嫌悪感を耐えながら1巻を読み進めますと、もう
最後まで止まりませんでした。

最終話までの構成と展開は、始まる前から用意周到に準備
されていたかのように流れるように話が進みます。
子供たちが抱える現実と無力な彼らの悩みが浮き彫りになってきます。
15人に最初から用意されていた個性でしょう。

「人は生まれながらにして、生命に対して業と責任を背負っている」
という言葉で、全体のモチーフが構成されています。
15人の子供たちがリレーをするように命のバトンをつないで
いく姿には、人類を救いたいとか気負った正義は感じられず、
しかししっかりと身の回りの小さな家族や、残った人を想ったり、
過去の自身の贖罪だったりが動機づけになっています。

SFがベースにあるのは間違いないのですが、しっかりと
人間ドラマを描き切っており、何度も読み返したくなるような
記憶に残る作品と思います。



[ 2018-08-14 02:06:06]
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