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HOTEL
作者:Boichi

雑誌:短編集

 レビュー全文  

7点  :とろっちさん 

良質のSF短編集。
メインとなる短編が5編、さらに各編の間にそれぞれ2ページのショートSFが計4編入っています。


「HOTEL -SINCE A.D.2079-」
人類が滅亡する間際に作られた塔、通称HOTELが、永い年月を過ごす話。
非常に完成度が高くて読み応えのある壮大な物語ですが、さらにより良いものにしているのが
作中で効果的に挿入される「What A Wonderful World」。
この素晴らしき使い方。 聴きながら読むと感慨も倍増。 さらに胸が熱くなります。
高い画力と見事な構成力で余韻まで計算されて描かれた、この短編集の表題を飾るに相応しい作品。

「PRESENT」
これはマジで巧い。 泣けました。

「全てはマグロのためだった」
個人的にはこれが一番好きですね。
作品のスタート地点を敢えて「HOTEL」と同じ位置に設定して、コメディタッチでグイグイ進みながら
ちゃんと別のところにゴールを用意しています。
しかもそれら全てはマグロのためだったw
オチも綺麗。 お見事。

「Stephanos」
短い中にいろいろと仕掛けを凝らしていますが、結局はBASTARD。

「Diadem」
こっちはちょっと銃夢っぽい作品。
後2編は前3編と明らかに方向性が異なるので、好きな人向け。


本格的なSF作品ではありますが、骨太SFと言うよりは「すこし・不思議」程度の感覚で読めるので、
SFが苦手な方にも読みやすいと思います(少なくとも前3編は)。
あくまで作品全体として評価して7点。 ただし幾つかの短編は傑作と言っても良いほどの出来です。
[ 2011-02-04 01:02:49]
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