史上最強の弟子 ケンイチ
作者:松江名俊
雑誌:週刊少年サンデー
レビュー全文
5点
:チーズカバオさん
サンデー55周年記念として「55作品新連載させる」とかいう編集部のゴミのような舵取りのせいで、ゴミのような最終章を迎えた残念な漫画。
最終章に入るまでは本当に面白い漫画で、サンデーが毎週待ち遠しくなるほどだった。
50巻を超えてもまだまだ読みたいと思えた作品は、サンデーでは初めてだったと思う。
ストーリーのテンポは良いし、アクションは派手だし、ギャグもキレがある。登場人物も達人・弟子問わずキャラが立っていて、戦闘パートも日常(修行含む)パートもまるっと楽しめた。
凡作以下の作品が誌面の大半を占めるようになっていった21世紀のサンデーにおいては屈指の良作であり、特にバトル漫画としてはサンデーの最後の良心と言っても過言ではなかっただろう。
ところがどうだ。冒頭に述べたふざけた企画に伴い、サンデー編集部は松江名にケンイチを終らせて新たな作品を創るように打診したのだ。
そして、なんと松江名はそれを承諾して、そこまで丁寧に積み上げてきたきたものを全てぶん投げて、近年稀に見る酷い話の畳み方で無理矢理本作を完結させてしまったのである。
後のコメントによると、この選択は松江名にとっても苦渋の選択だったらしく、職業漫画家としては賞賛されるべきところもあったのは事実である。
だが、1〜2年だけ連載したような作品と、12年連載した本作では、話を唐突に打ち切ることの重みが全く違う。
50巻以上のコミックスを買い続けてきた20万人近くの読者を、60巻近くになって突然裏切ることを作者も了承したことが、個人的には何より許せない。
正直、ラスト数冊は本当に買う気が起こらなかった。
ここまで最後の打ち切りについての怒りを綴ったが、本音を言えば相変わらずまだまだ続きが読みたい気持ちは残っている。
この漫画は、あんなところで終わらせてしまうのは勿体ないほど魅力的なのだ。
ジュナザード戦あたりまでなら、7点以上は堅いと思う。
いつか松江名が続編を執筆してくれることを、今も期待している。
[ 2020-11-17 23:00:20]
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