ザ・ワールド・イズ・マイン
作者:新井英樹
雑誌:週刊ヤングサンデー
レビュー全文
8点
:電光石火さん
休みの日、半日かけて読破しました。
最終巻だけは少し評価できないけれど、それ以外はパーフェクト。
漫画のところどころにあるメッセージにチープさを感じないし、真剣に考えさせられるような内容。
トシの母のエピソードで一気に引き込まれた。後半のトシの父の演説も良かった。
全てのメッセージにわざとらしさがない。ただ語るだけなら誰でもできるけれど、作者は漫画の中でメッセージに込められたものを再現した上で語っているからだと思う。
残酷描写があるが、いろいろな漫画を読んでいると特に気にならない。他にもただ残酷なだけの漫画はいくらでもある。大量殺人というテーマを描くには必要不可欠でもある。現実にそういう残酷な殺され方をしている人もいるだろうし、この漫画は一つの大きな架空の事件の、ドキュメントとして見てほしい。
犯人・警察・加害者の親、色んな視点から描いている点からしてもドキュメントと言えると思う。
ただし最初に言った最終巻を除けば。
それまでの流れと最終巻あたりの物語が違いすぎる。視点が個人個人からバードビューのように変わった。
おそらく読者としてはトシ・モンが出てくるところを見るのが一番楽しい。だからトシがつかまってモンが行方不明になったあたりで、物語は収束に向かうべきだったように思う。
そのあとの世界情勢だとかそのあたりは申し訳ないが少し流し読みしてしまった。あとヒグマドンという設定はこの物語に必須だったのだろうか?
さまざま思うことはあるけれど、全体を通して素晴らしい作品であることは間違いない。
[ 2008-04-20 22:02:04]
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