ザ・ワールド・イズ・マイン
作者:新井英樹
雑誌:週刊ヤングサンデー
レビュー全文
9点
:dollboxさん
見るも無惨な残虐描写の連続、社会を小馬鹿にしたような皮肉的で不道徳な言動の数々。
これらは時にニュースやドキュメンタリー以上のリアリティを放ち、鈍感になった僕のアンテナを刺激し続けるのだ。
それは人間の本質を客観的に映し出し、命の尊さを嘲笑うかのような、作中に漂う「生々しさ」が原因なのでしょう。
『命の値段いくらや!?』
トシがこの言葉を発した時から、無意識の内に僕は作中の人間の価値を勘定し続けていた。
そこから見えてきたのは尊いと感じる命と、そうでないものの存在。
それが命には平等に価値がないということなのか?
そしてそれが自分自身の想像力の限界なのか?
だけど、核兵器が世界中に放たれた瞬間こうも思った。
ああ、人間の命はなんて尊いんだろうと。
結局僕の感性なんてものはそんな曖昧でいい加減なものなのかもしれない。
作り話の中にしかリアルを感じられないなんてどうかしてる。
貧困な想像力は馬鹿の証なり。
[ 2005-07-16 23:39:34]
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