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Marieの奏でる音楽
作者:古屋兎丸

雑誌:月刊コミックバーズ

 レビュー全文  

8点  :とろっちさん 

穏やかな世界と、マリィの優しい微笑み。

これは良質のファンタジー。
今までどちらかと言うとまず画力ありきという印象だった作者に、世界観とストーリーが追いついた感じ。
しっかりとした世界が、違和感なく、緻密に、丁寧に、作り上げられています。

ゆったりとした流れを感じさせる上巻と、怒涛の展開を見せる下巻との対比が面白いです。

ラストでの立て続けのどんでん返しは正直予想の範疇ではありましたし、どこまでが真実かも
意図的にある程度ぼやかされて描かれてはいますが、この作品はミステリーなどと違って
謎を解くのが目的ではなく、種明かしも作品を形成する1つの要素にすぎません。
何だか幸せの定義についてもいろいろと考えさせられてしまいます。
人類にとってどちらが幸せだったのか。 個人として何が幸せなのか。
その辺の構成が実に巧みな良作。

最後まで読み終わった後に上下巻の表紙を並べてみるとよくわかります。
作者が最も描きたかったのは、きっとこの光景だったのでしょうね。
[ 2011-06-12 16:34:19]
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