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惡の華
作者:押見修造

雑誌:別冊少年マガジン

 レビュー全文  

7点  :勾玉さん 

第二次成長が始まり心身ともに変化の訪れる思春期、不安定なバランスの中で
鬱屈した感情が衝動的な行動に走らせる、というのはよく聞く話だ。

この漫画の主人公もそんな思春期の真っ只中にあり、
そこに中村さんという存在がトリガーになって暴走を始める。
だが特別不幸な生い立ちにあった訳でもないのに、
あそこまで自暴自棄な行いを繰り返したことは実のところあまり共感できていない。
周囲を巻き込みながら罪を重ねていく様子も
現実から必死に逃避しようともがいているようで痛々しく、
ページをめくる手も重くなっていった。

自分がこの漫画を楽しんで読めるようになったのは、
高校生になった彼が過去を背負いつつも前へ踏み出そうとし始めた後半の物語の方だ、
同級生の常盤さんとの恋愛模様も加わり前半とはうってかわってスラスラと読むことが出来た。
後半の展開は割と普通の青春漫画のようでもあるが、
前半の後ろ暗い過去がバックボーンとなり思春期の浮き沈みをより引き立たせている。
終わり方もまた良い、女子の体操着を盗んだところから始まり破滅の道を突き進んでいた物語が、
まさかこんな晴れやかな結末見せてくれるとは、予想外の嬉しい誤算だった。
[ 2019-12-15 09:56:30]
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