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人間失格
作者:古屋兎丸

雑誌:月刊コミックバンチ

 レビュー全文  

7点  :朔太さん 

原作は高校生の頃に読んでいて、夏休みの宿題であった読書感想文として
提出すると、なんと県大会応募されてしまったので驚いてしまいました。
しかし、実はその感想文は評論家の評論文を半分写し取った搾文だったので、
内心それがバレないか戦々恐々で、といって自白することもできず、
落選することを祈っていました。
これは、私の17歳の頃の小さな「人間失格」の始まりでした。

こんなことがあっても、自分の中の「人間失格」要素は懲りることもなく、
どんどん増幅していくのでした。
無自覚に存在する「人間失格」要素は、どこの誰にもあるのかないのか、
本人にしか判断できません。
無垢なる少女にすらそれは内面に蛇がとぐろを巻いて存在するのか、
確かめようもありません。
本当にそんな真実が明かされた時、それを知った時に、人は絶望して
死んでしまうのだろうか。
あるいは逆に人間失格と思った自分を許し、狂気の世間を渡っていく
覚悟ができていく瞬間なのかもしれません。

感受性豊かといえば美辞麗句過ぎて、虚弱で傷つきやすく自活力の
ない青年の自伝ではあるのですが、実は私の中の別人格の一つだったと
気づかされてしまいました。

[ 2024-07-03 07:51:27]
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