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ラヴァーズ・キス
作者:吉田秋生

雑誌:ベツコミ

 レビュー全文  

6点  :Scroogeさん 

美形高校生たちの切ない恋を描く漫画。

登場人物たちは早い段階で恋をした状態で、
報われない恋の辛さをじっと耐え、あるいはその辛さを友人たちと分かち合う。

よくできた話でキャラも立っている。絵もいいし良い漫画ではある。
その上で文句をつけると、キャラクターに感情移入しにくい。

恋模様の中心にいるのは藤井トモアキ。
高校三年生、サーファー、美形、金持ちのボンボン。
夜遊び、女遊び、波遊びと放蕩しているようだが、実は頭も性格も良い男。
共感できない。嫌いではないが、自分と共通点がなさすぎて内面について想像がつかない。
周囲の人間が男も女も彼に惹かれていくのを見て、描かれてないエピソードがあるのだろうなぁと想像するのみ。

その他のキャラクターについても、うーん?という感じ。
話が駆け足で進み、読者との共通体験を提示するような描写がほとんどない。

好きな人と両思いになれない、だから辛いです、でも友達はいます、というだけでは説明的に過ぎる。

疎外感を持ったまま彼らの喜怒哀楽を読み進むのは、
相互に承認しあったり、自己憐憫している子供たちを見物する感覚に近い。

物語としてはちょっと楽しみが足りない。


[ 2012-12-19 21:52:36]
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