トゥルーデおばさん グリムのような物語
作者:諸星大二郎
雑誌:ネムキ
レビュー全文
6点
:とろっちさん
グリム童話を諸星流に大胆アレンジした短編集。
戦戦慄慄のサスペンス、練りに練ったミステリー、設定を実に上手くアレンジした現代劇、等々。
有名どころの話を題材にしながら、この人の手にかかると全く別の話に見事に生まれ変わります。
グリム童話の本領である不条理さ、残虐さ、不気味さ。
そういったものが作者の手によってさらに強められ、あるいは捻じ曲げられ、消化されて、
作者独特の世界観として再構築されています。
諸星作品とグリム童話との相性がよほど良いんでしょうね。
先の展開が全く予測できないストーリー、読者を引きずり込むような構成力の凄さも健在です。
元ネタの都合上、話の面白さにかなりばらつきがあるので総合的にはこの点数ですが、
赤ずきん、ラプンツェル、Gの日記は特に良かったです。
作者のグリム童話アレンジ集は、他にも姉妹版に当たる「スノウホワイト」があります。
個人的には全体的にこっちの方がちょっと面白かったかなと思いますが、
気になる方はどちらも手に取ってお気に入りを探してみてください。
特にラプンツェルは「スノウホワイト」でも全くの別アレンジとして収録されているので、
読み比べてみるのもまたご一興かと。
[ 2010-06-23 20:12:37]
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