魔法使いの娘
作者:那州雪絵
雑誌:ウィングス
レビュー全文
7点
:とろっちさん
パパは魔法使い、というか日本最強の陰陽師。
娘を溺愛してはいるものの、立派な大人とは口が裂けても言えないような人でなしの大人子供。
娘に陰陽師の仕事を継がせようと、いつも娘を巻き込んで無茶苦茶なことばかりする。
でもそんなパパは実は……。
大まかに説明すると、常識的な生活能力が皆無なパパの世話をしながら暮らす主人公の女の子が、
仕事を継ぐのが嫌で普通の生活を夢見ながらも怪奇現象に頻繁に(パパの思惑もあって)巻き込まれ、
でも彼女自身も陰陽師の素質があるもんだからついうっかり事件を解決しちゃったりするという。
基本的にはこういうドタバタ話ではあるものの、物語の端々に後に繋がる伏線が散りばめられていて、
だんだんコミカルな雰囲気から次第にシリアスな展開になっていくとともにこれまでの伏線が結集し、
物語を貫く壮大な伏線となって主人公の前に立ちはだかります。
この辺の構成の上手さがベテランならではというか、実にお見事。
ラストがとても良かったです。 やはりラストが良い作品は良いですね。
パパの性格設定の滅茶苦茶さと、それを包み込んで余りある主人公の心の広さが素晴らしいです。
現在は続編の「魔法使いの娘ニ非ズ」が連載中ですが、こちらは普通の妖怪退治ものになってしまって
いて、まだ現時点で続編からは本作ほどの面白さは読み取れないです。
[ 2011-09-20 01:13:27]
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