さすらいアフロ田中
作者:のりつけ雅春
雑誌:ビッグコミックスピリッツ
レビュー全文
7点
:朔太さん
ステレオタイプのイタイ若者像をモチーフにしています。
決してトンでも君でもないんで、普通に生きる若者と
共通するところも見え隠れしていて、読み手の投影と
しても感じられる部分が多いんです。
したがって、一見コミカルで痛々しい田中や仲間の
行動・生活も決して腹を抱えて笑えないですね。
「働かない勇気。」なんてスローガンも一見
馬鹿々々しいのですが、それを望む読み手もその
願望があることに気づかされる、なんてのは一つの例です。
前半は本当にさすらい旅に出て、結局何も獲得する
ものもなく失意のうちに帰郷する田中です。
ここまでは本当に痛々しい。
後半でナナコと出会い、普通の家庭生活を拒否しつつ、
あくまでも稼ぐこと、働くことを拒否しつつ、
女性との生活との間で揺れます。
その一方で、精神的にはやはり落ち着いてきて
安心して読み進めることができるようになってきます。
ギャグマンガのはずが、読者に痛みを与え続ける不思議な作品です。
[ 2020-12-08 06:13:36]
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