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ドラゴン桜
作者:三田紀房

雑誌:モーニング

 レビュー全文  

7点  :ハカタメンタイコさん 

この作品の対象読者は10代ではない。30代に読ませるための作品である。そろそろ家庭も持ち、子供も生まれ、「この子をどう育てようか」なんて考えているサラリーマンが読む漫画といっていいと思う。
要するに、私のような「第2次ベビーブーム世代」を対象とした受験ノスタルジー漫画なのだ(やや強引か)。だから現役受験生が読んでもおもしろくないし、リアリティもないし、役にも立たない。現役高校球児が高校野球漫画を読んでも野球がうまくならないのと同じように。

ではなぜ、30代のおっさんが読んで面白いのか。それは、この世代の多くが大学受験を経験しており、そしてその経験を客観視でき、「そんな時代もあったなあ」と懐かしめる世代だからだろう。

必死で乗り越えた若かりしころの「受験」が、実はその後の社会でそれほど大事でないと距離を置いてみられる世代。でも、自分の子供の教育には関心がある世代。
そんな世代なら、受験の「カラクリ」を予備校的ノウハウでスパッ、スパッ、と切り取って見せられることが「なんだ、そうだったのか」と鮮やかに見え、懐かしくなる。軽く感心できる。だから面白い。こんなところなのではないか。

取材に協力している予備校のノウハウがただばら撒かれているだけとも取れるが、漫画の世界に新しい可能性をもたらした作品であることは間違いない。
テンポが遅い、字面が多くて辟易する、「常識めいた」教師たちを「型破りの主人公」が一つ一つ撃破するというベタベタな展開、絵がはっきりいって下手(笑)といった点は、この作者の個性といえば個性。
これまでになかったジャンルを切り開いた点は過小評価するべきではないだろう。
[ 2006-10-28 00:42:52]
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