ドントクライ、ガール
作者:ヤマシタトモコ
雑誌:クロフネZERO
レビュー全文
8点
:とろっちさん
家族と離別して人間不信に陥った少女が、青年と次第に心を通わせ、真実の愛を見つける物語(笑)。
(ほぼ作中原文のまま)
読む前は全く期待してなかったので、個人的にすごく意外。 まさかこんな面白いとは思わなかった。
作者の代表作である「HER」とかはちっとも合わなかった(むしろ途中で挫折した)のですが、
これは一体どうしたもんか。 ずーっとニヤニヤしっぱなしでした。
男に免疫のない女子高生がとある事情で同居することになった31歳イケメンは、全裸だった。
話の内容としては本当にこれだけ。
基本的に全編下ネタのシチュエーションコメディと言えなくもないですが、この作者は
言葉選びのセンスが抜きん出ていて、それがいちいちツボにはまります。
奇想天外奇天烈なボケよりも、類稀なるボキャブラリーを駆使して心の底からほとばしる衝動を
力の限りにぶつけるたえ子ちゃんのツッコミが痛快でテンポ良くてもう素晴らしい。
そんなたえ子ちゃんもどんどん壊れてきて、後半はまさかのラブコメに突入します。
どうしてそこでそうなるかな、っていう展開なのに、これがまた上手い具合にアホすぎて。(褒め言葉)
最後の方は完全にたえ子ちゃんが主導権握ってますからね。 この辺の描き方も面白いです。
ちょっとだけ残念なのは、個人的にもうちょっと長く読んでみたかったこと。
めちゃくちゃなのに力技で大団円に持って行ってるあたり、個人的には終わるのが早すぎたかな、と。
もちろん笑いの好みは人それぞれなので、特にこういうクセのある作品は万人向けとは言い難いですが
少なくともタイトルと表紙の絵ではこの内容はさっぱりわかりませんね。
この作品、女性からよりも男性からの方がウケが良いような気がします。
と言うかそもそも少女漫画なのかこれ。
また、短編「3322」も同時収録されています。 こちらは一遍変わってシリアスな話。
個人的にはこういうのはあまり好みではなかったです。
タイトルの「3322」の意味がパッと分かる(解読できる)のってギリギリ自分らの世代ぐらいまでかも。
[ 2011-10-21 00:54:56]
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