ヴィリ
作者:山岸凉子
雑誌:ダ・ヴィンチ
レビュー全文
8点
:blackbirdさん
普通バレエ漫画というと、少女が主役。
でもこの作品は違い、40代ですでに母親でもある女性が主役。
つまり、バレエ漫画というよりも(いや、バレエ漫画なんですが)、プロとして若者に抜かれていく、ぎりぎりの年齢の女性の心情を描いた、ちょっとつらい作品。
ライバルはバレエ団を出て行った真実であり、自分の娘。
海外から戻ってどんどん実力をつけていく真実。
そして、やる気がないだけと思っていた娘の舞に至っては、なんと(なぜか)自分が「プロポーズされる」と信じ切っていたパトロンの高遠まで奪われてしまう。この話と、バレエの名作「ジゼル」の「愛=許す」ことというテーマを、うまく絡めている。
しかも後半からは霊まで出て、お得意のぞっとする描写が続くが、最後の最後は何とか希望の持てるエンディングになっていて、よくぞ一巻でまとめたなと感心。
さすが山岸先生。ちょっと違う角度からのバレエ漫画でした。
[ 2011-04-27 22:25:16]
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