ビューティフルピープル・パーフェクトワールド
作者:坂井恵理
雑誌:月刊IKKI
レビュー全文
7点
:クランベリーさん
美容整形の技術が著しく発達して、誰もが見た目の若さや美しさを思うがままに手に入れられるようになった世界を舞台にした短編集。
今の日本で整形手術を受けたことのある人はあんまり多くないと思うけど、それには恐らくパッと思いつく理由が3つあって、1つは手術を受けること自体が後ろめたいっていう世間体の問題、1つは手術失敗とか後遺症が心配っていう技術的な問題、それからもう1つは価格的な問題。
私は正直、整形手術を受けようと思ったことはこれまでないけど、でもこれらの問題が解決されてて、しかも周りのほとんどの人が手術を受けていたら、私だって受けてみようかなって思うもの。
自分で好きな顔を選ぶことができ、容姿に関係なく他人に評価してもらえる社会。
でも一方で、同級生たちの顔の見分けがつかず、見た目の年齢や性別さえも作り替えられた社会。
容姿を自由に選ぶことができても、それで容姿の悩みが減ったかと言えばそうじゃなくて。
他の方も挙げているけど、作中の言葉が印象的。
「キレイなだけじゃダメなの。 だからせめて、キレイにならないとダメなの。」
じゃあ、そこまでして綺麗になってどうするの?
そんなほろ苦いお話。
[ 2014-09-28 01:33:10]
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