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20世紀少年
作者:浦沢直樹

雑誌:ビッグコミックスピリッツ

 レビュー全文  

4点  :FSSさん 

<全巻読了>

少年時代のノスタルジーをテーマに直結させた着眼点は良かったけど、やはり広げ過ぎた風呂敷を畳めずに終わった感じ。最終的に何が一番言いたかったのかすらぼやけてしまっている。

序盤は色々な伏線の張り方と、情報の小出しのバランスが良く、読んでいて先が気になる怒涛の展開だったが、後半は伏線の回収と先延ばしに必死で、どうしてもストーリー展開に無理が出てしまった感がある。後半などは同じような展開の連続で「こいつら何やってるんだっけ?」と分からなくなることもしばしば(笑)。そのせいでグダグダ感が出まくっている。

それと、「モンスター」もそうだが、もともとこの作者の漫画の描き方は、良くも悪くも非常に「商業的」と言うか、「テクニック的」と言うか、「ここで新たな謎を出せば読者の興味を持続させられる」とか、「ここで家族愛を強調させてからこのキャラを殺せば泣ける」といったように、ある意味パターン化されたプロットの切り張りで作品を描いている印象が強くあり、その小器用なやり方が鼻に付く時がある。そのやり方がプロとして上手いので作家視点で見ていないと気付かないかも知れないが、今作はちょっと「読者の興味牽引のための二転三転」をやり過ぎた感は否めない。所謂「意外性のための意外性」に陥ってしまったと換言しても良いだろう。

一度読めば十分。
[ 2007-12-31 15:42:46]
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