ねこぢるうどん
作者:ねこぢる
雑誌:ガロ
レビュー全文
9点
:何某何さん
どこまでも不条理で理不尽で、残酷でグロテスクで、奇妙で難解で、無邪気でノスタルジックで、寂寥感と孤独感を覚える漫画。
誰にも(おそらく夫にも)理解できず、解釈解説分析の一切不可能な作品だ
それもそのはず、これは作者の内的な世界をそのまま描き出しただけの、いわゆる心象風景なのだから
そこには読者への狙いもこめられたメッセージも全く存在せず、
見えているものをただ、子供そのものの感覚で表現しているだけ。
この漫画はまさにアウトサイダーアートのようだ。
それゆえに読んでいると、
触れるものすべてを傷つけ、
触れるもののすべてで傷ついてしまうような
繊細過ぎてトゲだらけで誰も寄せ付けないような作者の心を背後に感じ、
何とも言えない痛みを感じてしまう。
結局ねこぢるは、外の世界へ出て行くことを拒んだかのように、
31歳で自殺してしまった。
自分だけの世界に沈んでゆくために自ら命を絶ったのであろうか?
そこに深入りしていく気にはなれない。
こんな漫画を読んでも正常な気持ちでは笑うことなど絶対にできない。
だから、自分の心が異常だと思っているような人は是非読むべき作品だ。
[ 2009-11-15 13:02:13]
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