ONE PIECE
作者:尾田栄一郎
雑誌:週刊少年ジャンプ
レビュー全文
7点
:十歩神拳さん
10年以上の長期連載にも関わらず、いまだ良質のストーリーを保っているのは流石。
しかし最近の尾田栄一郎は「静と動のシチュエーション」を書き分けられなくなったように感じるのは私だけでしょうか。
空島編以降は日常場面も戦闘場面もテンションが殆ど変わらず、常にやたらとハイテンションで、「動のシチュエーション」一辺倒な気がします。
また、前半と比べ絵の書き込み量が増えたのはいいですが、その結果背景とキャラが同化してしまったり、見せ(魅せ)ゴマのインパクトが普段のコマと大して変わらなくなったり、前半に度々見られた渋みのある演出が消えたりと、一つの場面を際立たせるスキルも失われてしまった気もします。
結果的に全体のメリハリが消え、折角のストーリーの面白さを著しく損なわせているような印象を受けました。
その辺が、前半と比べると後半がつまらなく感じてしまう理由なのではないでしょうか。
<追記>
ジャンプ本誌で2010年に入ってからのストーリー(エース救出編の後半)の、最終決戦でもないのに毎週予想のできない超展開が次々とたたみ掛ける様子は、過去のどんな漫画でも味わったことのない壮絶さでした。
普通なら、漫画において読者はたとえものすごい展開を目の当たりにしたところで、さらにもうひと押しを望むことが多く、一応の満足は出来ても多少は燃焼しきれずに終わる部分があるはずです。
しかし今回のワンピースは違います。恐らく多くの読者は「ここまでやるか」と感じた方が多いのではないでしょうか(その展開が好みか否かは別として)。
国民的な超有名タイトルでありながら保身に走らず、これだけの手札を数週の間に出し惜しみなく、絶妙なタイミングで切ることのできる大胆さとセンスを持った漫画家は恐らく他にいないと思います。
ここ数週で読者に焼き付けた興奮と衝撃は紛れもなく漫画史に残る程だったと思うので+1点。
[ 2009-11-30 11:44:58]
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