ポーの一族
作者:萩尾望都
雑誌:ベツコミ
レビュー全文
10点
:ぷたりうさん
不朽の名作。
これだけ繊細なペン使いで繊細なストーリーを描ける人が今いたら教えて欲しい。これは反語ではなく,ほんとに生きているうちにもう一度これだけの作品に出会いたいと感じる。作者本人でさえ,作風が変わってしまった今,この世界を再度表現することは不可能。奇跡のような作品だと思う。
この作品には「さとう菓子」ということばがぴったりの甘いファンタジーの世界と,永遠のこどもでありながら,永遠の時を生きる運命を与えられた主人公たちの過酷さと喪失感が同居していて,なんて名前をつけていいかわからない感覚におそわれます。
また,時を超えて生きる彼らと絡む「人間」のストーリーが時代を前後しつつ描かれていますが,その描写はヒューマニスティックで軽い話も重い話も残ります。作者の人間やその歴史に対する深い造詣と愛情を感じる。しかし,説教くさいところはみじんもないクールな作品です。ちょっとほめすぎですかね。
[ 2007-12-03 12:40:20]
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