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ポーの一族
作者:萩尾望都

雑誌:ベツコミ

 レビュー全文  

7点  :まれらさん 

時代が前後する複雑な構成に戸惑ったが、作品世界の全貌がおぼろげに掴めてくるあたりで引き込まれる。良質なミステリーのような味わいで、相当の力量が窺える。永遠に生きる者の宿命と悲しみを繊細かつ緻密に描いており、不朽の名作としての評価も納得。絵も古典的なタッチながら、ファンタジー世界を芸術的に描き出している。
そこまで理解した上であえて難点を言えば、あまりに格調が高すぎて敷居が高い印象を受けるところか。漫然と読んで楽しむような作品ではないので、あまり無節操に他人に勧められない。国境を越え時代を超えて輪廻するエピソードを相互に関連づけながら読むのは思いのほか骨が折れるし、美文調の散文詩のような表現も技巧に過ぎるように思う。
読者側にも味わうためのスキルを要求されており、そういった部分も含めて実に大作然とした作品。
[ 2008-01-23 21:13:50]
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