チムアポート
作者:羅川真里茂
雑誌:花とゆめ
レビュー全文
6点
:booさん
「チムア」それは人間と異なる者たち。魔術のような少し不思議な力を使える彼らは心ない人間から嫌われ、迫害されていた。ザーザ村に住むポートもそんなチムアの一人。多くの村の人間から酷い仕打ちを受けるも人間をどうしても嫌いにはなれない。だって人間達の中にも…。
羅川真里茂の3話からなる優しく、そして切ないファンタジー。
・戦士 ジャバ・ウー…ポートの人間の親友との交流のお話。ポートの底抜けの慈愛とジャバ・ウーの優しさを描く。
・夢語り ジョー…脱走し、ポートに匿われることになった敵国の捕虜、ジョーのお話。
・魔法使い ピノ…ジャバ・ウーが派兵先で出会った人間に絶望しているチムア・ピノのお話。
ファンタジーとしてみるとチムアは非常に可愛いけれど、全体的な出来は微妙な所。しかし羅川先生は独特な感性で難しいテーマを書ききっています。
露骨に描かれる人間の汚さ、 醜さ、だからこそ浮かび上がる美しさもあるわけで…少し退屈な序盤をしのげばドラマチックにぐいぐい話に引き込まれました。そして鳥肌が立つようなラストの美しさとほろりとくる切なさ、最高に盛り上げます。
これを見て差別や偏見に思い至らない人はいないでしょう。しかしどうしても色んなものを色眼鏡で見てしまう自分もいます。それでも出来るだけ優しくあろう、そう思わせてくれる漫画です。
[ 2011-08-11 01:05:38]
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