つばめのすぅ
作者:鳥海りさこ
雑誌:りぼん
レビュー全文
5点
:鋼鉄くらげさん
退屈な授業のヒマ潰しに、ノートの片隅に描いた落書きが思いのほか良い感じのイラストに仕上がってしまい、そのままその勢いで漫画を描いていたら、気が付いたらコミック化してしまっていたというような作品。
しかしこれまた、唯一無二の個性を持った作品です。何故か事ある毎にヘンな漫画と遭遇する運命にある自分ですが、今回はまた一段と奇妙な、いや珍妙な作品と出会ってしまいました。例えて言うなら、未知の体験をしたくて四次元の空間へと突入したその先で、三次元の生物である一匹の亀が、二次元で存在する三角形や四角形などの図形たちに苛められている光景を目の当たりにしてしまったかのような、そんなこれまでの常識論や一般論を問答無用に、木端微塵に粉砕される出来事に遭遇してしまったかのような、そんな不思議な感覚です。
そんな感覚を抱くこの作品ですから、従来の一般的な物の見方や尺度である作品の評価点というものは、あまり意味を持ちません。そもそも今回、便宜上5点という点数が付いていますが、これがどういう意味の5点なのか、自分でもよく意味が分かりません。5点でもいいし、10点でもいいし、0点でもいい。もっと言えば、数学記号だっていいし、ギリシャ文字だっていい。携帯電話の絵文字表記でさえ、その点数表現に使えそうな気がします。点数では測れない何かがある。なんてカッコいい言葉を使ってみたりしますが、つまりは、これまでの評価基準が全く意味を成さない、途轍もなくイレギュラーな存在だという訳です。そうですね。測定する項目が何なのか。その主体が明らかになっていないのに、ただ闇雲に定規で長さを測り続けている。そんな間違った計測行為だと思います。だとすると、一体何なんでしょうね。この5点という点数は。
これまでの価値観や物事の考え方、常識論や観念論。そういった従来の常識が全て吹き飛んでしまうような、とんでもない作品です。
いや、しかし。そんな大仰な事は言っても結局は、頭が鳥に見える転校生がある日突然私のクラスにやってきた。というだけの、タダのギャグ漫画なんですけどね。
[ 2011-10-07 23:19:12]
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