ヴィンランド・サガ
作者:幸村誠
雑誌:月刊アフタヌーン
レビュー全文
8点
:中華三振さん
最初この作品を読むと、かなり人の命が軽く描かれているように見えるかもしれません。
もちろん、中世ヨーロッパという時代であったということも要因の一つですが、作者の幸村誠先生によると愛や命の重さをテーマにしたいために、対比させるためにあえて命が軽く扱われているように描いているそうです。
つまり、これだけ命が軽いとされている時代で、愛や命の重さを説くことの難しさ。これがこの作品の主題となっていると言えるのでしょう。
そういう視点で見ると、トールズやアシェラッドの行動が(特にトールズが)両極端な意味に映ってきます。
そして、テーマとはまた別に作者の幸村先生の作画にかけるこだわり・描き込みが素晴らしい!
先生の前作「プラネテス」も、非常に描き込まれていましたが舞台が宇宙という関係上、どうしても背景に関しては黒のベタにならざるを得なかったのですが、ヨーロッパを舞台にした本作では先生の職人魂が如何なく発揮されています。
背景だけでなく、戦闘シーン等の動きのあるシーンも非常に描き込まれていますし、登場人物それぞれのキャラが立っているので、戦記物が好きな人にもオススメです。
主人公のトルフィンは、ウィキペディアに元ネタとなった人物が載っているぐらい有名な人物なので、ちょっとヴァイキングに詳しい人や、ちょっと作品について調べたらこの作品の行き着く終着点はなんとなく想像できます。
が、どうやってそこにまで到るのか。トルフィンの人生を通したその過程こそが、”ヴィンランド・サガ”であるといえると言えるのでしょう。
最後に、公式サイトの作品紹介で使われたフレーズで締めたいと思います。
この物語は
本当の戦士の物語(サガ)
[ 2010-09-10 20:47:50]
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