七夕の国
作者:岩明均
雑誌:ビッグコミックスピリッツ
レビュー全文
9点
:佐々木裕健さん
『寄生獣』との比較して評価の低い意見が目立つが、決してそんなことは無い。
『寄生獣』も含めた岩木作品の特徴は、型にはまらないが計算されつくした丁寧なストーリー展開にあるわけであり、そういう意味ではこの作品も、他の作品に全く劣ることの無い、名作と言える。
『寄生獣』はそもそも100万部単位でヒットしたこと自体がイレギュラーなのである。少なくとも作者本人は、『風子〜』の時と同じように、自分のペースで書きたい物語を書いただけであり、こんなに大ヒットするなんて本人にとっても意外だったことであろう。
たまたま一般受けする要素(感動とか泣きとか息詰まるバトルとか)がちりばめられていたために、あのようなビッグタイトルになったわけであり、本来ならば「知る人ぞ知る、個性的な名作」だったのである。
『七夕の国』は『寄生獣』と似たテーマを扱っておきながら、メジャーになる路線からずれたストーリー展開をしており、そういうのを期待していた読者にとっては肩透かしを喰らったかもしれない。しかし、それをもって評価を下げるのは、実は筋違いなのである。
[ 2007-06-13 06:05:45]
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