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デス・オブ・キャプテン・アメリカ:バーデン・オブ・ドリーム
作者:スティーブ・エプティング

雑誌:Marvel Comics

 レビュー全文  

6点  :columbo87さん 

キャプテン・アメリカの重荷を背負うのは誰か。見事な復活を果たしたバッキーだったが,レッドスカルの陰謀に翻弄される。
ドクターファウタスによるシャロンの洗脳と誘拐に留まらず,クロノス社を利用してシールドの信頼を失墜させその地位に取って代わり,大統領候補を傀儡として民衆を味方につけた。キャプテンアメリカ無き今スカルによるアメリカ侵略が急速に進行していた。
新たなキャプテンアメリカとしての活動を開始したバッキーだったが民衆のシールドやヒーローに対する不信感を拭うことはできず,その重圧に苦しんでいた。更にはレッドスカルが保存していた50年代の偽キャプテンアメリカ,バーンサイドが姿を現す。
二人のキャプテンアメリカの対決,囚われたシャロン,レッドスカルの陰謀が交差する本格アクショ(略)
という感じで,ウィンターソルジャーからシビルウォー,デスオブドリームズを経ての完結編バーデンオブドリーム。息もつかせぬ展開とハードボイルドな雰囲気がなかなかよかった。メンツは見た目地味なんだけどテンポよくドンチャン騒ぎしてたので飽きずに読むことができた。中身はキャプテンアメリカ万歳みたいなお気楽メリケン展開なんですけどね,エッセンスがやたら暗いので大筋はまあハッピーな感じでいいのかなんて思ったりもします。とにかくハリウッド映画みたいな活劇を楽しめる良作。

ただねー,読み返すとやっぱりバッキーよりもハーンサイドとかの扱いが可哀想で感情移入してしまう。バッキーはなんかブラックウィドウとイチャイチャしてるし,お前そんな場合かよと。
味方サイドのシャロンもスティーブの子供を身籠もってた事が判明したけど即流産させられてて,周りがドン底展開な中バッキーばっかりいい目見てねぇすか?って感じちゃう。
あとはアメリカンな演出もちょっと合わない。最後は一般市民もキャップ万歳みたいなこと言ってるけど,僕の中でキャップはシビルウォーで馬鹿みたいにヒートアップして自滅した人ってイメージがつきすぎてしまっていまいちピンとこない。身を挺して他人の命を救ってたけどそれだってそういう演出だからなーって思っちゃう。すぐ復活してるし,そんでいまAvXでシビルウォーと同じようなことやってるしで…なんかモニョる。
そういうわけで単独作品としての面白さは申し分ないんだが,やっぱ前後の活動を見るとなんか釈然としないものがある。アメリカの理想の体現者だからこそのキャプテンアメリカだといいますが,ここから見えるのは,やっぱアメリカってそういう…というネガティブなヴィジョンだった。
 とはいえ流石にこれじゃ偏見だよなーとか思うので,あとでキャプテンアメリカ:ニューディールを読んでみようと思う。9.11直後,ヒーローにどういう行動を取らせたのかつーことでアメリカの思想に触れられる部分があるんじゃないかと思う。
もうすぐ出るホーリーテラーと比較してみたり。

[ 2012-05-21 22:51:08]
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