リアル
作者:井上雄彦
雑誌:週刊ヤングジャンプ
レビュー全文
8点
:souldriverさん
登場人物の発する言葉の一つ一つが読者の今までの人生に問いかけてくるようで、読んでるうちにだんだん沈んだ気持ちになっていくのは僕だけだろうか。
障害者スポーツにスポットを当ててはいるが、ただ「がんばってる様子」を描くだけの偽善や自己満足に終わることはなく、現実と直面する各人物の容赦ない心理描写が印象的。
障害をものともせず戦い続ける戸川、現実から逃げ続けながら自分の居場所を必死で探す高橋、そして健常者として彼らの生き様を目にしつつ自らも現実の中でもがき続ける野宮。
三歩進んで二歩下がり、少しずつ前に向かっていくそれぞれの様子はまさにリアルで、ご都合主義なドラマの表現の域を超えて心に訴えかけてくるものがある。
読むたびに暗くなってしまうが、最後には「自分もがんばろう」という気持ちにさせてくれる。スラムダンクの成功に満足することなく、とことんまで踏み込んだ絶望と希望の人間像を見せ続けてくれる井上先生に拍手!
[ 2007-07-18 20:16:03]
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