リアル
作者:井上雄彦
雑誌:週刊ヤングジャンプ
レビュー全文
9点
:パトカーパト君さん
第1巻読んだ時、高校のバスケ部の空気感や高橋の人のランク付けとかすごいリアルだと思った。人生の生きづらさがビシバシ伝わってくる。第2巻以降も、自分ではどうしようもできない家庭環境や難病にかかったりと、読んでるこちら側が鬱積する。でも読む手が止まらない。
なぜなら、作者の構成力、言葉の選び方、メリハリの利いた画のセンスがずば抜けているからだ。読んでいれば必ず琴線に触れる言葉とめぐり合える。そしてなにか動き出さなきゃいけない、このままじゃダメだと思わせる。それは厳しいことかもしれないが、この世界のリアルだ。
5巻以降は、なかなか前向きにならない高橋のせいで失速するが、作者も語っているとおり、「はい、車椅子になりました。はい、車椅子バスケはじめましょう、という展開にはしたくなかった」と語っていたので、それもそうだなと思いつつ、最後まで付き合おうと思う。
[ 2010-01-05 16:39:36]
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