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亜人
作者:桜井画門

雑誌:good!アフタヌーン

 レビュー全文  

7点  :にっくとにっくさん 

「亜人」という平凡なタイトル、そしてオドロオドロしいが簡素な表紙の絵柄。これだけでその漫画を手に取る人を自ら狭めるようなもので、事実自分もこの作品を積極的に購入したわけではない。

だが1度と手に取りページをめくれば、そうした先入観をやすやすと塗り替えて、ぐいぐいとひきこまれ、気がつけば6巻分を購入。読了までの3時間はあっという間にすぎた。

既刊は6巻だが、1巻から6巻まではあっという間に時間が過ぎてしまうだろう。そして早く続きが読みたいと思ってしまう。
亜人という存在の不気味さと対照的に扱われる、主人公を含めた登場人物たちの人間臭さ。亜人という存在について次第につまびらかになっていく、その過程の周到さとテンポの良さ。
凄惨に過ぎずしかしリアリティのあるバイオレンスを主体にしたアクションと、ステロタイプだがそれを独自の書法で拡張させたかのようなキャラクター性。
描画の線は細く細かいが、かといってごちゃごちゃした印象はなく、背景も人物もある一定のテンションを常に維持し続けている。コマは奇をてらったものはないが、見開きでの表現がちょうど話の中で盛り上がっていく部分とマッチし、高い演出効果を発揮している(6巻の終盤は特にひきこまれる)。

これからの作品であり、結末によってその評価はいかようにも変わるのだろうけれど、時間を忘れて世界観に没したい時にはうってつけの作品だと思う。
[ 2015-06-13 13:26:52]
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