ソラニン
作者:浅野いにお
雑誌:週刊ヤングサンデー
レビュー全文
4点
:a6a6さん
おしゃれ系バンドのバイオグラフィーを読んでる気分になる。主人公の周りで実際に起こっている話ではなく、誰かから「そういえば昔こんなことがあったなあ」と笑いながら(半ば自慢げに)語られる感じ。つまり、物語に作者の影がちらつく。そのせいか全体的に嘘臭い。
また、「思い通りにいかないことは多いけど、小さな幸せを見つけてなんとか生きていくことはできる」というのが通してのメッセージなんだろうけど、それが序盤からにじみ出過ぎている。
上記の二つの理由から、主人公が仕事を辞めてまともに生活できなくなっても、彼氏が事故で死んでも、「あ、こうなっちゃったんだ」以上の感想が出てこない。
でもこれはそういう漫画なのかもしれない。読んでいる物語そのもの以上に、筆者自身の雰囲気や思想を見てほしい、みたいな。
音楽と漫画には、たとえば音楽を語る時は曲そのものではなくミュージシャン単位で語る一方、漫画を語る時は作者ではなく漫画のタイトルで語る、というような文化の違いがある。筆者のようなタイプのミュージシャンは沢山いるが、漫画家ではあまりいなかった。だから浅野いにおは人気が出たけど、今後こういう漫画家が続々現れそうなのが今から怖い。
[ 2010-04-17 16:47:32]
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