珍遊記
作者:漫☆画太郎
雑誌:週刊少年ジャンプ
レビュー全文
5点
:ほげさん
『西遊記』の翻案漫画として誕生したのが『ドラゴンボール』なら,『珍遊記』は『西遊記』のパロディなのかもしれない.四方田犬彦のエッセイにも書いてあった.
だが,『珍遊記』を読むと,誰しも感じるが,画太郎の露骨な『ドラゴンボール』パロディにも見られるように,一つの作品へのパロディではなく,方向性は多岐に向かっているように思える.だがそれが,功を奏していないという感じは否定できない.『ドラゴンボール』を露骨にパロった章など,どう見ても笑えなかった.
本作を見て,笑おうとするなら,鼻水やよだれというものよりも,いきなり坊さんを爺さん婆さんが殴りつけたり,「じゅうまんえ〜ん」の台詞に見られるごとく,見開きをつかった唐突さに,現れている.結局,昔ながらの単純なギャグなのだ.たけし映画を観ていて,ギャグではないかと思うのは,たけし演じる刑事やヤクザが,いきなり相手を殴るようなシーンに現れていた.そういう意味では,単純ではあるけれども,暴力と笑いの親和性をつきつけている本作は,ギャグ漫画として悪くはない.
だが,この漫画は物語の構成力が破綻しており,ギャグも息切れが見られるため,それほど評価したくなるような漫画ではないと思っている.ギャグにちょっと光るものもあるが,最近の漫画などに比べると,やはり物語に粗が多すぎる.訳の分からない戦闘シーンとか,本屋の婆の暴力シーンとか,どこでどう笑うのだろうと首をかしげたくなるようなシーンが多すぎた.今再考されるべき漫画ではないだろう.
[ 2006-03-27 22:58:37]
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