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7.12点(レビュー数:8人)

作者岡崎京子

巻数1巻 (未完終了)

連載誌FEEL YOUNG:1995年~ / 祥伝社

更新時刻 2011-08-27 01:11:02

あらすじ 「もとのままのもんは骨と目ん玉と髪と耳とアソコぐらいなもんでね あとは全部つくりもんなのさ」。大掛かりな全身の整形手術とメンテナンスにより、完璧な美しさを持つモデルの「りりこ」。女優や歌手としても活躍し人気の絶頂を迎えるが、体は次々に異常を訴え始める。それにつれてりりこの心の闇も濃く、深くなり、彼女の人生はやがて手もつけられなくなるほどに壊れてゆく。
 

備考 連載終了直後、作者は交通事故に遭ってしまう。
2003年に単行本化。
2003年に文化庁メディア芸術祭・マンガ部門優秀賞、2004年に第8回手塚治虫文化賞・マンガ大賞を受賞。
 

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ヘルタースケルターのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全8 件

2点 朔太さん

全身美容整形で頂点を極めた芸能人の転落劇。
沢尻エリカ主演で映画化もされた。

まさに、沢尻エリカのための物語という感じで、
本人の実話ではないかと思うほど、
嵌まっている役どころだろう。
女性には、理解できるという共感の声が大きいが、
私には全くのところ理解不能の行動と欲望と
イラつき具合であって、全く共感できなかった。
特に、主人公のイライラ具合が理解できなかった。

したがって、退屈な漫画だった。
人生の積み重ねの中で価値観なり、幸福感が人格を形成する。
美容とファッションしか生きがいがない主人公は別世界の住民だ。
男の出世欲みたいなものなのかな。
少し染まってしまうと中毒になり抜け出せない、
というものだと理解しよう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2021-09-21 08:48:30] [修正:2021-09-21 08:48:30] [このレビューのURL]

7点 褒め河童さん

映画にもなった有名漫画 沢尻エリカが綺麗だったなぁ、見てないけど。
全身を整形し、誰もが羨む美貌を手に入れたりりこ、しかし整形に次ぐ整形。精神を安定させるための大量の薬物。未来には堕落しか予想されないストーリーとなっています。
そんな中でりりこは自分に自信を持ち、時には無くし、誰も信じず愛されず。それでもどうにかして自分を保ち生きようとしていく話。
現代の流行や芸能界への羨望、恐怖がよく描かれていて、今の時代に凄く合っている気がしました。それ故の映画化でもあったと思います。
一人の女性が輝き、老い、壊れていく過程がグロテスクにエロティックに描かれているのが余計に怖さを引き立たせます。人を傷つけることで憂さ晴らしをして自分の存在を確かなものにしていく等沢山の女性の怖さを見られる作品でした。もしかすると女性の方は共感したり、誰かとリンクする事が多いかもしれません。
最後に作者の岡崎京子先生は96年に飲酒運転の車に撥ねられ事実上漫画家生命を絶たれました。加筆修正も出来ないかもしれない状況でありますが、このような素晴らしい作品を描いて頂いたことを深く感謝いたします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-09-18 18:52:08] [修正:2016-09-18 18:52:08] [このレビューのURL]

8点 Scroogeさん

骨格以外の全てが醜い女だったりりこ。
全身を整形し完全な美女になったりりこの破滅を美しく描いた作品。

岡崎京子は漫画がものすごくうまい。
エピソードの並べ方、言葉の選び方、感情と理性のバランス、
漫画全体が絶妙な切れ味で読者を引き込む。
「こんな話」と説明するのが簡単で、
「どんな話」になるのか続きを読みたくてたまらなくなる。

芸能界に興味がなく、キレイでコワイところ、といったふんわりしたイメージの方に、オススメできる作品だと思う。

映画版も見てみたくなった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-05-15 10:52:44] [修正:2012-05-15 10:54:39] [このレビューのURL]

7点 kikiさん

正直好みの絵でも、魅惑的な絵でもなく、あまり共感できない
登場人物たちや世界観なのに読み出すと止まりませんでした。
壊れていく主人公の心情がリリカルに描かれてて、胸に重く
のしかかりました。

美しくありたいという女性の願望を叶えたりりこ。
それは永遠ではなく、本人もよく分かっていて、それでも止め
られないりりこの狂気さがビンビンに伝わってきて、人間の
奥底にある願望が刺激される作品かと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-08 22:29:26] [修正:2011-09-08 22:29:26] [このレビューのURL]

8点 booさん

ヘルタースケルター。

つくづく秀逸なタイトルだと思う。
りりこがすべり台に乗って一直線へ破滅へ向かっていく様、その混沌、そして発表後に世間に衝撃を与えたという点でもこの作品を上手く表したタイトルと言える。

本作はりりこが煩悶の末に虎になるまでを描いた作品ではない。
本作はりりこが煩悶の末に内から生まれた虎に食い殺されるまでを描いた作品だ。

破滅が目に見えていてもそこに向かって疾走していくりりこ。
女性的な価値観への風刺、りりこと対照的な存在の吉川こずえ、全てがりりこの花火のような鮮烈さを際立たせる。

正直私はこの作品があまり好きではない。岡崎京子のすさまじい才能が、表現力がほとばしりすぎていて物語に乗り切れないのだ。才能をコントロールできていない、あるいはしていないのかもしれない。

ヘルタースケルターを分類するとしたら悲劇だろう。でもそこに悲壮感はあっても絶望はない。この作品はそれでも生きろと背中を押す、いや強烈にぶん殴ってくれる作品だから。
重松清の「疾走」と同じくらい”ひとり”でも、ヘルタースケルターはあくまで前向きだ。

吉川こずえは最終話でこう言う。「あ、”ヘルター・スケルター”じゃん。この曲大好き。」
何てことはない。私もりりこに魅かれていたんだ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-04 18:02:01] [修正:2011-09-06 01:43:39] [このレビューのURL]

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