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7点(レビュー数:1人)

作者山川直人

巻数1巻 (完結)

連載誌短編集:2005年~ / エンターブレイン

更新時刻 2009-11-25 06:33:35

あらすじ 吟遊詩人が贈る、きらめきと温もりに満ちた珠玉の作品集

備考 短編集のため連載開始年には発行年を記載。

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口笛小曲集のレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

7点 dollboxさん

[ネタバレあり]

『コーヒーもう一杯』の山川直人さんがこの15年間に同人誌などに執筆した作品を厳選した短編集です。

僕は『コーヒー〜』を読んで山川さんの存在を知ったんですけど、久しぶりに本当に素敵な絵と出会えたって感じでしたね。
最近はやれCGだ美形だという漫画が増えている中で、人形劇の人形のようなかわいい造形をしたキャラクターや、一本一本丁寧に描き込まれたカケアミで表現される絵がとても新鮮に映りました。

そんな素敵さMAXの絵で描かれた小物なんかも、見ているとすごく落ち着いてくるんですよね。
古い洋楽のレコード、カメラ、アコースティックギター、探偵、コーヒー、クラシックカー……。
どうです。聞いただけで心が安らいでくる気がしませんか?
テラピー的な。
なんでしょうねこの感じ。
懐かしいレトロな雰囲気から伝わってくるのは人のにおいですかね。

『写真屋さん』という短編は特にそういったものを感じましたね。
年に一度町にやってくる写真屋さんにいろんな住民が写真を撮ってもらう話なんですけど、昼間撮影した写真に囲まれて眠るシーンがねえ・・・いいんですわ。
現像した写真に写ってる住民の表情っていうのはやっぱり笑顔、まあ幸せな顔なんです。何十枚とある写真の中で不幸な顔した奴はひとりもいなくて、みんながみんな幸せな今を残してほしくて写真屋さんのところへ来るわけでね。(まあ不幸やのに写真撮ってくれっていう奴はそういませんけどね)
いろんな人の人生があって、その幸せな瞬間を形にして残せる写真屋さんの喜びといったらもうどんなにでしょうか。
そんなことを考えるとどうしようもなくニヤけてくるんは僕だけなんですかね。

目新しいストーリーや、派手さだけがええもんではない。ベタな話でも何気ない日常でも良いもんは良い。
現代人は山川テラピーに酔いしれてしまえばいいのに。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2006-05-23 09:27:14] [修正:2006-05-23 09:27:14] [このレビューのURL]


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