花縄のレビュー
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6点 朔太さん
小池一夫の世界が堪能できます。
鬼平こと長谷川平蔵の晩年に、女で身を崩して死を
想う日々の元大関玉椿との出会いで物語が始まります。
小池一夫の武士の世界には、常に死を引き換えに
生を輝かす道筋が示されます。
いつもそれがとても潔く、美しく見えるので素晴らしいです。
今回も死を覚悟した自分を生かす鬼平への恩義により
輝く生を見せる主人公の姿がテーマです。
お約束通りに、二人の美しい女性との結ばれない
恋愛関係も物語を輝かせます。
やや物足りないのは、捕り物帳にしては謎の深みがなく、
他の作品に比べて情実の淡白さも気になりました。
昭和の時代はもっと濃い情実ぶりがお得意だった
ように思いましたが。
小池一夫に並ぶ人情作家が最近見当たらないのが残念に思えます。
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[投稿:2020-03-09 18:43:36] [修正:2020-03-09 18:43:36] [このレビューのURL]