ホーム > 不明 > ガロ > ねじ式

6.37点(レビュー数:16人)

作者つげ義春

巻数1巻 (完結)

連載誌ガロ:1968年~ / 青林堂

更新時刻 2012-07-23 01:08:20

あらすじ 海岸でメメクラゲに腕を噛まれて静脈が切れた主人公の少年が、医者を求めて奇怪な街を放浪し、不条理な目に遇うという話。

備考 全集第6巻収録。

作中の「メメクラゲ」は、作者が「××クラゲ」と表記したのを編集者が勘違いして写植したもの。誤植の歴史に名を残している。しかしながら、作者はこの誤植について、当時の編集者に「メメクラゲのほうが作品に合っているような気がするね。」と言っている。

シェア
Check

ねじ式のレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全16 件

6点 punpeeさん

ちくま文庫のつげ義春コレクションの「ねじ式/夜が掴む」のレビューになります。


ねじ式に限らず、どの作品もなんか分からないけど面白い。
ストーリーとしては破綻していたり、思い付きの様な展開も多く、評価が難しい。
故になかなか人には薦めにくいし、好きだけどその面白さは説明できない難しい作品。


つげ義春はもちろんシュールだけでなく、中盤以降の、平凡な夫婦の生活を綴った連作「夏の思いで」、「懐かしいひと」、「事件」、「退屈な部屋」、「日の戯れ」なんかは、読後感も妙に爽やかでほのぼのしている。

現代では、奇をてらったシュール、不条理な作品はいくらでも溢れてるが、
この時代にそういう作品を世に出せた事は凄いと思う。

余談ですが、
現代ではpanpanyaがつげ義春に近い理不尽でシュールな作風として知られていますが、この方の作品はムカつくだけでした。笑

また、1冊を通じて侘しさや寂しさ、小さな幸せ等といった叙情性を感じさせてくれる辺り、表現力が非常に高い作家だと敬意を払いたい。


「必殺するめ固め」で妙にムラムラするのは私だけでしょうか。笑

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-12-05 21:23:08] [修正:2016-12-05 21:23:08] [このレビューのURL]

6点 torinokidさん

言わずと知れたマンガ史に残る名作。

他作品でパロられた回数もマンガ史に残るのでは?
なんたって某作品では「ねじ式くん」ってキャラまで
登場しちゃうんだから。

ネタマンガとしての評価は最上級。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-02-02 17:22:02] [修正:2013-02-04 08:51:10] [このレビューのURL]

この作品を初めて読んだのは或る大型中古本販売店で
何とは無しにつげ義春全集を手に取ったときだった
内容はとにかく不可解だがインパクトは絶大
それから少しして文庫版があるのを見つけたので思わず購入したのです

エンターテイメント性、メッセージ性 肩の力を抜いて読めるモノ続きが気になってつい何度も読み返すモノ
読んで感動したり自分も頑張ろうって思えたり
マンガというものには様々な面がある じゃあこれは?分類不能の理解不能どの面にも当てはまりそうにない
夢で見たことが元になっているという点では「夢十夜」のようであるし鉄路や機関車、狐のお面などからは「銀河鉄道の夜」が連想される
文学的といわれるのかもしれない

清水正氏の『つげ義春を読む』という本を一読したことがある
「ねじ式」についてのレビューはなんとも書くのが難しく以下氏の本からの受け売りになってしまいますがあしからず。
その本は「ねじ式」を1コマずつ考察していくもので主人公はオイディプス的野望の実現を図ろうとしているという論を中心として書かれていた(オイディプス的野望とは父を自らの手で殺し、実の母と交わろうとすることらしい)
つげに言わせればデタラメな思い付きの創作がほとんどらしいのだが清水氏の文には明らかに考えすぎな解釈だと思われるものも含まれていた
しかしひとつだけ面白いと思ったのはメメクラゲについての話だった
生原稿の段階では「××クラゲ」だったものを「メメクラゲ」に誤植したことで「女々」つまり女性的であることを象徴するものに変わったというのだ
ここで真相を明かしておくと実はつげは校正の段階でこのミスに気付いていたらしいのだ
編集者が××をメメだとした勘違いを「そっちの方が作品に合っている」と校正ミスを新しく作品の力にしてしまったという話だ

つげが心理的な分析を嫌うように
たしかにこの作品の前では「難解である」とか「これはこういうことを暗示していて」みたいなことを語るのはナンセンスなのだろう
このテの漫画はやったもん勝ちみたいなとこがあるのかもしれないがとにかく「ねじ式」が自分に与えた漫画としての印象は大きいと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-03-29 16:46:46] [修正:2012-03-29 16:51:24] [このレビューのURL]

9点 いーらびさん

このとりとめのなさを一つの作品として書き落としているところが、何とも文学的。
他の誰にも真似出来ない独特の世界観。
さながら泉鏡花。

一見、他人にはわけの分からないものに映る心の断片、いわば自分の中だけで完結していた物を、
漫画として公にさらした感性には、評価すべき光るものがある。

読後にぼんやり残る後味は、まるで難解な文学でも読んだかのよう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-11-11 18:07:08] [修正:2010-11-11 18:07:08] [このレビューのURL]

まずこれを文庫で読むことをオススメしかねます。最低大判サイズのゲンセンカン主人、欲を言えば68年ガロ臨時増刊のつげ義春特集で読むと迫力が違い過ぎます。この話はおいといて本題です。この作品はつげ作品の「夢もの」と言われているタイプの代表作です、文学と漫画をつなげた記念碑的作品などとも言われていますが、つげさんもインタヴューでおっしゃる通り「屋根の上で見た夢をそのまま描いた」そのままだと思います。そしてそれをアウトプットし昇華させれるつげ義春はやはり鬼才なのかもしれません。一切情報がなく読んだ時に感じた衝撃はいまでも残っています。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-11-11 02:05:52] [修正:2010-11-11 02:05:52] [このレビューのURL]

PR


<<前の10件
1234

ねじ式と同じ作者の漫画

つげ義春の情報をもっと見る

同年代の漫画

ガロの情報をもっと見る