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8点(レビュー数:1人)

作者川三番地

原作七三太朗

巻数51巻 (完結)

連載誌週刊少年チャンピオン:1986年~ / 秋田書店

更新時刻 2009-11-25 06:39:52

あらすじ 私立栄興学園野球部。名門といわれたその高校に、一人の新入生が入部する。名前は田中球児。八十島監督が東北まで行って見つけた「十年に一人の逸材」である。ところが、入部した田中は運動オンチのチビだった。同姓同名の違う人を指名してしまったのだ。上級生の怒りを買い、しごかれる田中。しかし、田中はくじけなかった。「1%の才能と99%の努力」によって、次第に栄興のエースとして成長していく……。

備考 4Pは「4番ピッチャー」の意味

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4P田中くんのレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

8点 朔太さん

ドカベン、キャプテン、名門!第三野球部などの長期少年野球漫画の系譜を継承した作品でした。11年間462話51巻連載の野球漫画のレジェンドと称される作品ですが、不思議とレビューされた方がおられません。

物語の展開は、他のスポーツ漫画とも同様に、高校一年生から始まり、夏の大会を延々19巻まで進めます。その先は春の大会が40巻まで続き、その後ようやく高校二年生の夏の県予選という具合です。
因みに、最終話は高校二年生の夏の甲子園初戦で終わります。この辺りは、先の長期少年野球漫画の常道ではありますが。

身長が156cmしかない幼児体型の主人公が特長であり、決定的とも思える欠点なのですが、1%の才能と99%の努力を父の教えとして守り抜くのが、全編を通したコンセプトです。
最初の方では、それも絵空事のように感じますし、都合よく魔球が出てきたり、サヨナラホームランを打たせたりでした。しかし、むしろ選手としてのレベルが上がるほどに、超人ではなく、努力によって開花している点が強調されるようになります。さらに球速を速くする工夫をするなど、だんだんと努力と成果の関連性に説得力が出てくる印象があります。
特に、24巻辺りでは、鈍足だった走力改善のために、陸上部とともにトレーニングを行い指導を仰ぎます。これにより、運動能力全般が向上し、特に守備力が増すといったところは、腑に落ちました。

また、単なる強力ライバルを登場させるだけでなく、勝ちのためならどんな卑怯な作戦も厭わない監督を擁するチームだとか、主人公以上に実力を持ちかつ魅力的な好青年のワンマンチームの悲哀だとか、ドカベンとは異なるバリエーションに富んだ対戦を仕組んでいます。
さらには、自チームには海外帰りの外人まがいのボブ牧田もなかなかの好キャラですね。

とても格好いいとは言えないが可愛い主人公、と同様に、格好いいというより変なタイトルですが、11年の長期連載を成し遂げた名作でした。
因みに1986年チャンピョン連載開始ということもあって、私は最近その存在を知って、全51巻を完読しました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2022-08-17 09:02:32] [修正:2022-08-17 09:12:05] [このレビューのURL]


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