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9点(レビュー数:3人)

作者植芝理一

巻数3巻 (完結)

連載誌月刊アフタヌーン:1999年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 06:40:22

あらすじ 松笛たか臣と戸川安里香(とがわありか)は同じ高校の2年生。不思議な縁でおつき合い中。松笛くんはとってもかわった人(実は人間なのかどうかもわからない)なので、戸川さんは、「どうしてこの人を好きなのだろう。人はどうして誰かを好きになるのだろう」と考えてしまいます。そんな2人の前に起こる摩訶不思議な出来事をたっぷり描いた、新シリーズ『精霊編』開幕です!

備考 ディスコミュニケーションの完結篇。

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ディスコミュニケーション精霊篇のレビュー

点数別:
1件~ 3件を表示/全3 件

9点 booさん

ディスコミ完結編。
…にも関わらず、戸川と松笛は脇役扱いというね。正直悲しいです。
今までの松笛の役回りを、三島姉妹を代表とする夢使いが担うことになる。そもそも「精霊編はキツネのお面の少年からキツネのお面の少女への主人公の継承の物語だったのです」ということなので当然ではあるのだが。しかし夢使いでやってくれても良かったんじゃないか?
相変わらずの余白が許せないんじゃないかというほどの書き込みは健在。絵柄は少し変化してよりスタイリッシュになった。この頃の絵柄が一番作者の人間離れしたセンスが感じられて好きだったりする。
オールド玩具・特撮・魔法少女・江戸川乱歩・呪術あたりの好きなものをごちゃ混ぜにしたような世界観とストーリーはものすごい。やっぱ植芝理一はこうでないとね。

精霊編は冥界編と同様「なぜ人は誰かを好きになるのか」という命題に正面から取り組んだ作品。冥界編がそんなことを考える意味があるのか?と「なぜ人は誰かを好きになるのか」という命題の意義自体を問う面が強かったのに対し、精霊編では人を好きになることの闇を描くことでその答えに近づこうとしている。
冥界編と精霊編を合わせて一対になっているような印象で、どちらも甲乙つけがたい質の高さだった。
結末はどちらかというと冥界編が好みなんだけど精霊編も良い。
人類の黎明期からあるような普遍的な命題の答えなんてあるはずがない。でもそれを考えることは大切なことだし、皆で考え続けていくことでいつかは解けるかもしれない。戸川が見つけ出したのはあまりにも小さいけれど、自分だけの確実な一歩。
答えは大事じゃない。ディスコミは考えるきっかけを与えてくれる。それこそに価値があると思う。

1点マイナスの部分は精霊編としては最高だったものの完結編ということもあって、やはり松笛と戸川を主軸にすえなかったのが残念だったから。最終巻の表紙に戸川の姿すらないしね。最終ページといい、夢使いの予告をこんなところでしなくてもいいのに。
もっと2人の姿が見たかったなあ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-21 00:51:37] [修正:2011-07-21 00:58:59] [このレビューのURL]

9点 マサキレンさん

本作はディスコミュニケーションのラストを飾るだけあって、かなりの力作である。
ストーリーや設定も作り込まれているし、作画も後半はとても高いレベルで完成されている。
まさに完結編に恥じない内容だと思う。

ただこの作品の主題に対し明確な答えを出さなかったことは少々気になるところだが、それもこの作品らしいといえばらしいのかもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-30 21:06:59] [修正:2010-10-30 21:06:59] [このレビューのURL]

9点 Dr.Strangeloveさん

ディスコミの最終章としては?かもしれないが
一つの単体エピソードとして見れば申し分ない完成度。
恐らく業界随一だと思われる書き込みの量も完結篇だけあってか
気合入りまくり。各話表紙も凝りに凝りまくってて楽しめる。
テンポも非常に良いし大満足。

しかし残念な点が2つ。それは主人公である松笛の出番が少なかったことと
「どうして人は他人を好きになるのか」という命題に安易に答えを出した事。
これさえなければ10点だった、惜しい。
某巨大掲示板の過去ログで当時の反応を読んだところ上記の理由により
やはり評価が芳しくないようだけど私は好きだ。読む価値があると思う。

それにしてもロボットや各話表紙の書き込みの量は凄いなあ。
背景だけ見てても楽しめる漫画だ。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2007-08-07 13:11:15] [修正:2007-12-02 20:12:33] [このレビューのURL]


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