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7.83点(レビュー数:6人)

作者山本直樹

原作一色伸幸

巻数4巻 (完結)

連載誌ビッグコミックスピリッツ:1992年~ / 小学館

更新時刻 2011-01-12 13:19:21

あらすじ 高橋は日本の一流建設会社に勤めるサラリーマン。ある日ODAによる建設プロジェクトの仕事で、西南アジアの発展途上国・タルキスタン(架空の国)に出張を命じられる。しかし現地でパスポートを紛失し、なかなか日本に帰れずやきもきしてる間に内戦が始まり……。
 

備考 メディアミックス作品として漫画版と映画版が展開された。
映画版は原作者の一色伸幸が脚本を手掛けており、1993年に上映された。
 

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僕らはみんな生きているのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全6 件

9点 カメオさん

この漫画のレビューを見ると、日本人ビジネスマンの悲哀だとかリアルだとか発展途上国のカルチャーなんかを主に評価してる人が多い。
まぁ確かにそれはこの漫画の「おもしろい」部分ではある。

でも「おもしろい」のなら他にもあるでしょ?
この漫画の他と違うとこはやはり不思議な「美しさ」。
セーナと主人公のちょっとした会話とか、エンディングとか、夢と現実がごっちゃになるシーンとかの何とも言えない感じ。
漫画に「引き込まれる」という感覚を本当に実感するあの気持ち良さ、いや気持ち悪さというべきか。

これを読んだ夜はもう何も手につかない。
あとは寝るだけ。
魔法にかけられたみたいな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-05-11 21:43:19] [修正:2011-05-11 21:44:10] [このレビューのURL]

7点 とろっちさん

バブルの残り香をまだまだ感じる時代の話。
「アジアの嫌われ者」の日本人がいかにして嫌われるに至ったかを鮮やかに描いた作品、
と言ったら自虐的すぎですかね。

今でこそ、政治経済的にもスポーツ・文化的にも「日本はアジアの一員だぜ」みたいな空気が
当たり前ですが、この当時は「欧米に追いつけ追い越せ仲間に入れて」の時代。
アジアの人々を見下す日本人。
現地での開発支援や経済発展援助など知ったこっちゃなく、自分たちが儲かることだけ考える日本人。
「ニッポンが援助したカネを、俺たちニッポンのカイシャが持って帰る。 ODAってのはそういうことだ」

かと思いきや、純粋培養の日本人は現地の人からすれば良いカモだったりして、
黄色いサイフなんて呼ばれる始末。
日本人は日本人同士で、現地滞在ビジネスマンとしてお互いの腹の探り合いにご執心。
漫画として誇張に満ちた作品世界ではあるのでしょうけど、生き馬の目を抜くような掛け合いが
読んでいて何だか妙に気持ち良かったりします。

まあやっぱりこの作品の見せ場は、他の皆様が書いてらっしゃるように
企業戦士としてのサラリーマン魂全開の場面ですね。
本当にああやってメイドインジャパンを少しずつ世界に広めていったんだなあ。 すげーな日本人。
技巧的な終わり方も秀逸。 情緒溢れるシーンにピリ辛のスパイスを振り掛けたような描写なんて、
この作者以外になかなかできる人いないと思いますよ。
どうも映画版と違って漫画版は山本直樹オリジナルの部分が多分に含まれているようで、
シニカルな視点とか、一捻りも二捻りも加えた展開とか、実に良い味出しています。

作者の他作品を読むと、良い意味で一言で表せないようなドロドロした読後感を抱かされるのですが、
この作品は(原作者が他に居るというのもあるのでしょうが)ストレートに面白いと思えました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-03-16 22:22:46] [修正:2011-03-16 22:23:42] [このレビューのURL]

7点 dollboxさん

この作品の評価は最後のシーンによるところが大きいです。
美しくて、切なくて、夢と現実が一瞬わからなくなるような名演出。
このラストは山本直樹の演出家の才能が見事に生きている。

ただ作品全体を見直したときに感じるのは、これって山本直樹っぽくないよねってこと。
エロ描写が薄いのだ。(これはペラいって意味の「薄い」じゃなくて、「濃くない」の意味なので誤解しないでね。)
山本直樹のさまざまな持ち味が結晶した「ビリーバーズ」に比べると、「僕らは〜」はどうも社会派漫画というカテゴリーにいってしまう。
僕は思う。山本直樹のジャンルはあくまで「エロ」なのだ。核にはあの「エロ」がなきゃ山本直樹は本当の山本直樹にはならないのだ!(すいません、かなり偏見入ってますね(笑))

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-02-05 12:30:15] [修正:2006-11-12 00:37:07] [このレビューのURL]

6点 kazuさん

[ネタバレあり]

まず、途上国に長期滞在する日本のサラリーマンって設定自体が新鮮で楽しめる。文化のギャップや、奮闘したり絶望したりする日本人サラリーマンたちの様子を見てるだけでも面白い。極めつけは最後の、革命戦士のゲリラ相手に『営業活動』をする企業戦士たち。確かに、自社の利益ばかり考えていて独善的な日本人の好例だが・・・・でも・・・・カッコイイ!!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2006-02-15 16:48:10] [修正:2006-02-15 16:48:10] [このレビューのURL]

これぞカルチャーショック!

アジアの癌といわれ諸外国から嫌われまくっている日本人。
レジスタンス相手に啖呵をきったタカハシのセリフは、
されど日本人と思わせる名セリフでした。
日本人は根っからのビジネスマンなんだよなあと納得させられました。
いやいやかっこいいですよ企業戦士MADE IN JAPAN、金に埋もれて死んでゆけ。
発展途上国を大切に。近隣国を大切に。現地妻も大切にw
ああそういう私もメイドインジャパンだなぁ〜

◇この作品の個人的価値=全4巻で 文化交流1ヶ国分也

ナイスレビュー: 0

[投稿:2005-11-03 15:48:41] [修正:2005-11-03 15:48:41] [このレビューのURL]

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