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9.33点(レビュー数:3人)

作者CLAMP

巻数7巻 (完結)

連載誌ウィングス:1990年~ / 新書館

更新時刻 2009-11-25 06:42:02

あらすじ 現代陰陽師の頂点に立つ昴流。その双子の姉、北都。そして自称、昴流を大好きな星史朗。90年代の東京を舞台に様々な問題を抱えた人たちと関わっていく。昴流にとって、特別な人が現れた時、彼はどう変わるのだろうか。

備考 東京BABYLONは完結済み。
その後の2人については同作者の「X」により明らかにされる部分がある。(特に16巻)

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東京BABYLONのレビュー

点数別:
1件~ 3件を表示/全3 件

8点 ジブリ好き!さん

東京の闇、人の闇…あなたは「東京」がきらいですか?


「聖伝」「魔法騎士レイアース 」とこの「東京BABYLON」は、衝撃的なラストが印象的だとファンの間では言われている。
特にこの作品、確かに、漫画に救いを求めている人には向かないだろうが、最終話以外のエピソードが非常に出来が良いのでぜひお勧めしたい。
特にCLAMP嫌いの人に。

自分も最近のCLAMP作品は大っ嫌いで、あの狙いすましたキャラやら雰囲気やらが鼻についてしょうがなかった。長編化も辛い。
でもこの作品には、キャラからしてその嫌らしさがない。
星史郎には若干そんな感じがあるかもしれないが、(演技とはいえ)彼のゲイっぷりと裏表の顔のきっちりとした使い分けのおかげで気にならない。
巻数も少なく、コマ割りのためか見た目の分量よりサラッと読めるのも◎(それでいて決して無駄なコマ割りや大ゴマが連発しているわけではなく、非常に効果的なコマ割りをしていると思う)。
初期の頃の作品のため、キャラの動きがあまり感じられず未熟だが、ストーリー・キャラ・表現・演出どれをとっても高レベル。
よくある切り口から、多岐な展開・結末が描かれる。
ハッピーエンドとは程遠い話が多いのもCLAMPの持ち味だ。娘を殺された母親が復讐をしようとしてるのを諭すため、娘の霊を呼び寄せる話の結末とか良かったです。

この作品の魅力はやはり、東京に潜む闇をあぶり出し、解決はできないまでも妥協点をみつけて向き合っていくところだろう。3人の登場人物の彼らなりの考え方・向き合い方には共感できるものも多々。

毒のある話がオムニバス形式で詰まったこの作品、ぜひラストの猛毒まで読んでみてはいかが?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-07-01 01:48:55] [修正:2010-07-01 01:54:55] [このレビューのURL]

10点 臼井健士さん

現時点ではCLAMP最高傑作と考えています。

主要登場人物は昴流・北都・星史郎の3人だけだが、4巻から6巻までの後半は特に「いじめ・老人・臓器移植」などの社会問題を絡めた話が良かった。ラストは・・・悲惨だが、こんな「終わらせかた」は確かに他の漫画家には出来ないだろうな。
北都ちゃんは魅力的な女の子ですね。「可愛い」でなく「格好いい」女の子は珍しいと思います。
同性の女の子から好かれそう。番外編で外国人の女の子を助ける話が特に印象的。そして、ラストでは双子でも立派に昴流の「お姉さん」であることを示しました・・・・・(涙)
話自体は同じ作者の「X-エックス-」に続きます。

CLAMP作品では出色の出来です。
ちなみに雑草社発行の漫画情報誌「ぱふ」で行われたマンガベストテン「93年度第1位作品」。
主要登場人物わずか3人で「大都会・東京に潜む様々な闇」を浮かび上がらせた。
主人公が「陰陽術」を用いて事件を解決すること以外は非常にリアルな展開。

そう言えば・・北都ちゃんが助けた外国人の女の子・・・・その後はどうなったのでしょうか?
家に遊びに来ていたようですが・・・・北都ちゃんの死すら知らぬままなのかな・・・・。
昴流の「北都」以外の家族とか・・・キャラの背景については作中ではほとんど語られませんでしたので謎の部分はかなりあります。しかし、今後もそれが語られることはなさそうです。
「作中」で辛い事件の最中にも3人の笑顔が見れるシーンもあります。

けれど、それらは全て「過去」の笑顔に過ぎません。「過去」は決して変えられず、3人が笑顔で並ぶことはもう「有り得ない事」なのだから。
もし変えられるものがあるのだとしたら、それは「未来」のみ。
「未来は変えることができる・・・・・」と信じて、お話は「X-エックス-」へ繋がるのでしょうね。

星史郎さん・・そういえばたびたび「賭けの決着は延期・・・・」を口にしているのですが、最終的な期限は「昴流と再会して1年経過した日」であったはず。(「END」で星史郎さん自身が口にしている)

期限到達の遙か前に「延期」・・・ってどういう意味でしょう。
久美子先生を殺(や)った帰りに昴流に「こんな賭けはもう止めてしまおうかと何度も思った」と告白しているように、星史郎自身が自分で決めたことを破ろうとしていた(つまり期限を前倒ししようとしていた?)フシがある。そんな自身のの気持ちと、もう少し「可能性を追いたい」という気持ちの間で彼自身も迷っていたのか?そんな気持ちが「延期」という言葉で現れたのか。

久美子先生は星史郎の正体(力)に最後の最後で気付いたようです。
後に「エックス」で神威でさえも及ばなかった力に太刀打ちなどしようもなかったのは仕方ないにしても、彼女が誰の意向で消されたのかは気にかかるところですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-18 21:55:16] [修正:2010-06-18 21:55:16] [このレビューのURL]

10点 yunさん

[ネタバレあり]

今でも好きな作品です。
昔とは東京の現状も変わっているだろうし、
Xでの2人の結着もいちおうは付いた。
けれども番外編を望んでしまうんですよね。

個人的には、昴流と星史朗が出会わなければ
北都ちゃんはあんなことにはならなかっただろうし、
昴流は平凡な幸せに落ち着いていたかもしれない。
でも、昴流は星史朗さんに出会わなければよかったとは
思わないはず。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2008-02-09 16:58:12] [修正:2008-02-09 16:58:12] [このレビューのURL]


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