あらすじ 暗い性格で友達もいなかった楠本頼子は、クラス一の秀才で美少女の柚木加菜子に突然「私たちは互いが互いの生まれ変わりなんだ」と声をかけられる。不思議な事ばかり言い、難しい文芸雑誌を読む加菜子に戸惑う頼子だが、互いに孤独だった2人は親交を深め、2人で最終電車に乗って湖を見に行こうと約束するが、加菜子は中央線武蔵小金井駅のホームから突き落とされ、列車に轢かれてしまう。その列車に、たまたま勤務帰りの木場修太郎が乗り合わせていた。修太郎は加菜子が運ばれた病院に向かうが、そこへやってきた加菜子の姉・陽子を見て目を疑う。彼女は修太郎が密かに憧れる女優・美波絹子に瓜二つだったのだ。瀕死の重傷を負った加菜子は謎の研究所に運ばれ、集中治療を受ける。この加菜子は、絶対に死ぬわけに行かない身分の娘だったのだ。その頃、多摩を中心にバラバラ死体が相次いで発見される。事件を取材する中禅寺敦子と、それに付き合っていた関口、鳥口守彦は森の中で道に迷ううちに謎の建造物を見つける。それは正方形の巨大な、まさに「匣」だった。加菜子はこの中で高度な治療を受けていた。そして厳戒態勢の中、治療を受けていたはずの加奈子は忽然と姿を消す。修太郎は、陽子が加菜子を誘拐する予告状を持っているのを見つける。
魍魎の匣のレビュー
8点 そうすけさん
全五巻読了原作未読
ミステリーではあるのだがコナンや金田一を想定して読むとえらい目にあう
それらよりはるかに業が深い
絵も終始安定して、場面によってはかなりの鬼気を醸し出していた
良作
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2014-08-05 18:24:41] [修正:2014-08-05 18:24:41] [このレビューのURL]
3点 Mサトゥーさん
1巻だけ読んだ感想です。原作のファンとしてレビューさせて頂きます。
この作品は漫画化に向いていません。
登場人物のセリフをつなげて、その場の景色を描写するだけでは原作の世界を再現することは出来ないと思います。人物を描写する情報量が全然足りない。一応ストーリは追えるでしょうが、やはり物足りません。
絵は上手なので雰囲気は出ていますが、原作の”濃さ”を漫画で出すのは難しいのではないしょうか。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2009-06-28 02:58:43] [修正:2010-07-29 23:53:43] [このレビューのURL]
6点 右から左へ。さん
2巻まで読了により改訂。足繁く古本屋に通い続けてようやく2巻を発見。2巻まで読んで思ったのだが、この作品はある程度まとまった分量がたまってから読んだ方が面白いかもしれない。
2時間の怪奇物のドラマを見ているような作品。京極夏彦のベストセラー小説が原作。原作は読んでいない。
安定した原作を背景として、心や、生い立ち、性格に問題をかかえた登場人物たちが、ある事件を中心として、心理描写を中心に、丹念に描かれている。事件はようやく動き出した。バラバラのピースが徐々に収束していっている感じ。事件の概要がわかっているだけの段階。まだ序盤の印象。
終戦間もない昭和という時代設定が、現在の読者にとってやや想像のしにくい設定であるかもしれない。また、時折出てくる匣の話が読み進めていく上で障害となっている感がある。だが、話が進んでいくうちに、徐々に匣の描写が、犯人の心理の描写だということがわかってくる。まだ2巻しか出ていない上に、3か月に一話というゆっくりとしたペースで掲載されていることから、本当に徐々にわかっていくものと思われる。
京極堂が独特の味を出していてよかった。オカルトの話も深く掘り下げられていて、さらっと一読する限りでは分かりづらいが、ゆっくりと読めばわかるように、配慮されていた。基本的に、小説でのわかりづらい描写は、漫画の読者にわかりやすいように漫画という媒体の特徴を生かした説明がなされている。
何にせよまだ序盤と思われる。この段階では評価を下しづらいが、良質な漫画であることは間違いない。暫定的に6点としておく。
続刊が発行され次第、また加筆修正させていただきたい。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2008-10-12 12:28:08] [修正:2008-10-22 18:15:49] [このレビューのURL]