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7点(レビュー数:1人)

作者瀬口たかひろ

原作朝田光

巻数2巻 (完結)

連載誌ヤングアニマル:2009年~ / 白泉社

更新時刻 2010-02-13 23:48:04

あらすじ 双葉数馬が街角で偶然出会った少女・有賀えみる。彼女は誰にも理解されない、ある「秘密」を持っていた。数馬は彼女の全てを受け入れることができるのか…。「愛」とは何か、「救い」とは何かを、ミステリアスかつセンシティブに描いたラブストーリー。

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死に至る病のレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

7点 とろっちさん

どこまでも深く…暗い闇。
彼女が抱えていたものは、「絶望」という名の死に至る病。

カウンセラーを目指す青年と、絶望に蝕まれた少女を描いたストーリー。
タイトルからわかる方もいると思いますが、キルケゴールのあの哲学書が元ネタです。
と言ってもコミカライズ作品などではないのでご安心を。
論旨のおいしいところだけをかき集めてストーリーに混ぜ合わせたような作りになっていて、
元ネタを活かしたままミステリー仕立ての作品として生まれ変わり、実際よくできていると思います。

うまくまとまっていますが、全2巻はちょっと短かったかな。 展開も若干性急だったように感じますし。
あと1巻分ぐらい足して、深く重い感じをもっともっと濃密に描写してくれればなお良かったです。
終わり方については賛否両論あるでしょうね(私は否の方です)。
ネタバレにならないようにワザとわかりにくく書きますが、「自己」とは何なのか、ということ。
「自分もまた自分の一部」なんですよね…。 うーん、そう考えるとやっぱりよくできているのかな。

絵も内容に負けず良好。 と言うか「オヤマ!菊之助」のあの方です。 途中で気付いてビックリしました。
ギャグ要素をはさまず、丁寧な描写でシリアスに描ききった力作。
こういうのも描けるんだな、と感心してしまいました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-10-09 13:01:21] [修正:2010-10-09 13:07:25] [このレビューのURL]


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