ホーム > 不明 > コミックフラッパー > 咎狩 白

8点(レビュー数:1人)

作者夏目義徳

巻数3巻 (完結)

連載誌コミックフラッパー:2009年~ / メディアファクトリー

更新時刻 2010-05-28 15:22:42

あらすじ 江戸を震撼させ、地獄に落ちた冷酷非道の大罪人“統兵衛”は、咎を喰らい罪を狩ることのできる木刀、“咎狩(とがり)”を手に、300年の時を超え現世に蘇る。
彼の帯びた使命は、咎狩と共に108日で108の罪を狩ること。それを果たせば、彼は地獄から解放され自由の身となる。罪を集めるための激しい戦いの中で、統兵衛は様々な人間に出会い、極悪人だった彼の心に大きな変化が生まれ始めていた・・・現世で統兵衛に残された時間はあと1日。狩るべき罪はあと1つ。週刊少年サンデーで連載され人気を博した名作「トガリ」が、10年の時を経て待望の再始動!

備考 「週刊少年サンデー」で2000年から2002年まで連載された『トガリ』の続編にあたる。

シェア
Check

咎狩 白のレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

8点 十歩神拳さん

いろいろな意味で、今もっとも人に薦めたい漫画。

2000年から1年半程の間サンデーで連載していた、あの知る人ぞ知る秀作「トガリ」が約10年を経て奇跡の復活です。


本作の背景となるストーリーは前作のあらすじやレビューを見ていただければわかるかと思いますが、主人公である統兵衛は現世で108日の間に108の罪を狩らなければなりません。

そして大胆にも、「咎狩 白」は「107日が過ぎ107個の罪を集めた」シチュエーションからスタートすることにより、あえて退路を断ち、無駄な引き延ばしを出来ないようにしてしまいました。
そのため、1話目から完全にクライマックスとなっており、物凄い勢いと密度で話が進んでいきます。

また、夏目先生は本作ではあえて先の展開を決めず、読者の生の声を聴きながら流動的に執筆しているらしいので、ベテランらしい手堅くスマートな展開ではなく、良い意味で荒く物語が進行します。
そのスタンスは「トガリ」の作風に物凄くマッチしていて、非常に面白いと思いました。

このスタンスで最後まで描かれるのであれば、本作は誰もが(作者すらも)予想できない名作になり得るかもしれません。
本作が名作か凡作か、あるいは駄作となるかの鍵はある意味私たち読者が握っているとも言えるでしょう。

とりあえず、機会があれば是非読んでみてください。
最初の数ページの強烈なインパクトで、当時の読者はもちろん、初見の方でも一気に引き込まれることでしょう。

また、夏目先生の漫画家としてのブランクが長かったせいか始めのうちは作画やテンポに若干のぎこちなさを感じましたが、話数を重なるごとに覚醒している感があるので、毎月どんどん面白くなっていくことも期待できます。

10年前と同じ轍を踏まず、今度こそは最後まで描ききられるように、少しでも多くの読者に本作を支持して頂きたいと願います。


まだ1巻しか出ていないのに高得点にするのは尚早かもしれませんが、期待と応援と宣伝の意味も込めて、8点です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-05-28 16:56:54] [修正:2010-07-09 11:24:06] [このレビューのURL]


咎狩 白と同じ作者の漫画

夏目義徳の情報をもっと見る

同年代の漫画

コミックフラッパーの情報をもっと見る