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7.5点(レビュー数:8人)

作者中村明日美子

巻数2巻 (完結)

連載誌マンガ・エロティクス・エフ:2009年~ / 太田出版

更新時刻 2010-06-21 20:12:20

あらすじ 中村明日美子初のサイコ・サスペンス、戦慄の第1巻!

謎の死を遂げた美少女「藤乃朱」。
入れ替わるように、「朱」の双子の妹と名乗る少女「桜」が、作家・溝呂木の前に現れるも、彼女の正体は一切不明。
二人の点をつなぐ作家・溝呂木は、盗作に手を染め深い闇に追い詰められていく。
そして事件の謎を追う編集者と刑事たち。彼らの間を蠢く謎は深まるばかり――。
顔のない死体とひとつの小説をめぐる、謎の物語。

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ウツボラのレビュー

点数別:
1件~ 5件を表示/全8 件

6点 torinokidさん

最後までのめり込んで読んでしまった。
まさにページをめくる手が止まらんって感じ。

終盤以降は怒涛の展開が見事なほどに綺麗に収束していく。

ただしあまりに綺麗に収束していくが故に
個人的にはラストに若干の物足りなさも覚えてしまった。

良作であることは確かですが。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-05-10 16:57:11] [修正:2013-05-10 16:57:11] [このレビューのURL]

7点 yuuri0628さん


中村明日美子作品は食わず嫌いというか読まず嫌いで
読んだことがなかった

これが初めて読んだ中村先生の作品だったが
読むことが止められず、2巻まで没頭して読んでしまった

美少女に翻弄される中年作家
でもその翻弄する側である美少女にも脆い部分があり、
最後は中年作家が美少女をリードしたイメージがある

読者によって多様な解釈をすることができる小説は多いが漫画では少ないと思う
この作品はその数少ない内の一つ、答えは明確には書かれておらず、
読者の解釈におまかせする、そんな漫画だった



中村先生の絵柄は表紙だと耽美臭むんむんで
買いにくいと思う方がいるかもしれないが、
中身の絵柄は表紙よりも一般受けする絵で、
線が細く美しい

他にも中村先生の作品を読んでみたいと思わせてくれた作品だった

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-11-04 14:56:19] [修正:2012-11-04 14:56:19] [このレビューのURL]

7点 kikiさん

退廃的な雰囲気をかもし出している着物に身を包んだ作家と
謎の美少女の情事、盗作問題、顔のない自殺者は誰なのか、
一体真実はどこにあるのか?
様々なプロットが短いに話しに詰まっていて、様々な謎に
引き込まれて一気に読んでしまいました。

どっちがどっちだったのか読んでる最中に何度かあれ?と
思わせる手法はすごい。
これ人によって解釈色々できるような気がします。

作者さん意図的に絵柄を変えて、ミステリアスでいて官能的で
昭和レトロさな雰囲気たっぷりに仕上げてますね。
特にヒロインの独特な目は凄いなぁと思いました。目力ありすぎ。

それにしても和装のおじさまが美少女に犯されるって
またあまり見た事がない淫靡なシチュエーションを産み出されるん
ですね。
私は中村明日美子さんの作品は晴れやかなものしか読んだ事が
なかったので、色々描ける方なんだなとも感心しました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-07 01:13:52] [修正:2012-10-07 01:13:52] [このレビューのURL]

8点 kuroneko3298さん

まさに何度も読まないといけなくなる作品。
淫靡な香りとともに文学的な匂を漂わせてのめり込ませる。
作家である溝呂木の「書けなくなる恐怖ー」が
私はこの作品のテーマなのかな・・と思う。

凡人の私にはおおよそ想像もつかないけど
地位も名誉もある大の男が「ウツボラ」を書く為に
少女に犯され堕ちて行く様は--
その怖さを充分感じさせられた気はしました。

彼の下で淫らに喘ぐ少女は一体誰だったのか--
意味深なセリフ、不可解な女の行動、曖昧な溝呂木の供述で、
彼女の正体は二転三転。
妖艶な肢体が印象的な瞳が 彼女をますます謎めいたモノへかえてます。
ラストではそんな「彼女の正体」も明かされているのですが
でもやっぱり違うのではないか--?と思わせる凄さだ。

明日美子さんの新たな魅力に、もはやクラクラ!
読みごたえも十分です!! 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-10-04 23:15:33] [修正:2012-10-04 23:17:59] [このレビューのURL]

8点 クランベリーさん

中村明日美子の耽美な傑作。

もう深くて暗くて重くて、書きたいことはいくらでもあるんだけど、それをどこまでも書いていくとこのサイトの字数制限(あるのかな?)に引っ掛かってしまうかもしれないのでやめときます。
以下、軽くネタバレありますのでご注意ください。

とにかくこの作品は耽美的。
皆さんのレビューにも必ずこの言葉が出てくるし、中村明日美子さん自身が「耽美」と、それと最も相性の良い言葉の一つである「退廃」とを念頭に置いてこの作品を描いたであろうことは想像に難くない。
中村明日美子さんは体調不良で一時期断筆していたことがあって、その時の心情も作品に取り込まれているのかな、とも思ったけど、この作品の1巻は休む前に出ているので考え過ぎかもしれない。

「耽美」以外では、藤乃朱の醸し出す「艶美」=黒と、コヨミちゃんの純真無垢な「健康美」=白との対比が印象的で面白かった。
作者は女の持ち得る美を二つに分けて、それぞれに惹かれていく男の様を描きたかったのかも。
でも正直その部分に関しては作者は描き足りなかったんじゃないかなとも思う。
不満を感じるほどでもないけど、この作者ならオセロのように黒白を引っくり返すぐらいのことは平気でやると思っていたので、最後までコヨミちゃんが純真無垢の白のままだったのは意外だったし拍子抜けした。
辻さんの役回りが中途半端だったのかな。もっとコヨミちゃんに溺れてくれれば。

溝呂木先生のキャラはとても良かった。その堕ちっぷりも含めて。平成の時代に明治の文豪のようなキャラを持ってきて、しかもそれが見事に成立しているところに作者の世界観の奥の深さを感じる。
この作品はサイコサスペンスという一応の骨格はあるんだけれども、結局は作者の思い描く美意識を享受し、共有し、美に耽る作品なのかもしれないな。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-06-30 21:09:29] [修正:2012-06-30 21:16:22] [このレビューのURL]

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