昭和元禄落語心中のレビュー
7点 torinokidさん
良作。面白いです。
女性誌で落語マンガとはなかなかに大胆な。
八雲回想編は秀逸。まさに頁を捲る手が止まらんって感じ。
ただし八雲回想編があまりに面白くて
相対的に導入から序盤が「軽く」思えてきてしまったのは
作品のバランスとしてちょっと気になるところ。
読み進めているうちに主人公のはずだった与太郎のことが
忘却の彼方に消えてしまいそうになっています。
まあ雲田さんのことだから最終的には上手に纏めるんでしょうけど。
早く続きが読みたいマンガです。
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[投稿:2014-01-18 09:20:49] [修正:2014-01-18 09:20:49] [このレビューのURL]
8点 yuuri0628さん
落語を題材にした少し珍しい漫画
今年読んだ漫画の中で面白いと思った漫画のうちの一つです
とにかく作者は漫画を描くのが上手いなあと思える作品
1巻は主人公与太郎がメインだが2巻、3巻は師匠の八雲がメインとなっている
この師匠である八雲の過去話が面白い!
BL出ということもあるが、艶のある色っぽい男性を描くのが作者は非常に上手です
オカマすぎず男すぎず惚れ惚れするような、丁度いい具合の色っぽさ
与太郎がしょっぱなから弟子入りできたりと少々展開が早いような気もしますが、だらだらと与太郎が弟子になるまでを描写したり、伏線を張り続けるよりはこちらの方がいいのかなとも思う
週刊雑誌掲載の漫画に読みなれていると早く感じるかも
他の方もおっしゃっているように、BL出の作家さんの漫画が最近非常に面白い
よしながふみや中村明日美子、ヤマシタトモコなど、面白い作品が多い
少年漫画や少女漫画に読み飽きた人には丁度いいかもしれない
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[投稿:2012-11-04 15:57:42] [修正:2012-11-04 15:58:30] [このレビューのURL]
5点 kikiさん
落語が舞台の漫画作品ってあまりないので面白そうと思ったのですが、
元ヤクザが高名な落語家に弟子入りってクドカンの『タイガー&ドラゴン』
(ドラマですが)かよって思っちゃいました。まぁ中身は違いますが。
それにしても与太郎のパートがなんか物足りない。
与太郎が師匠に拘る描写はもっと欲しいし、師匠が与太郎を弟子に
とるのもあっさりしすぎな気がします。
師匠のターン(過去編)の方が面白いかな。
とりあえず5点。
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[投稿:2012-03-19 00:54:09] [修正:2012-03-29 16:40:36] [このレビューのURL]
6点 s-fateさん
落語を題材にしていることがまず面白いですね。落語界とともに心中する気の名人のところに、今時(といっても舞台は四半世紀前になってしまうんですね)珍しく一本気に弟子入りを決める主人公(脳天気系)。陰な舞台に陽な主人公が登場して舞台が変化を伴い展開していく、というのは王道にして明快です。
絵は女性向けマンガでよくあるタイプの絵だと思います。特徴としては、爺さん(名人)がカッコいい。
いくつかの伏線が張ってあり行き当たりばったり感も無いので、期待しています。一応まだ一巻の導入部なので6点。
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[投稿:2011-12-15 22:11:25] [修正:2011-12-15 22:11:25] [このレビューのURL]
8点 booさん
1巻しか出てないけれど、これはおもしろい落語もの。
近頃のBL界隈から飛び出してくる才能の宝庫ぶりってやばくないかい?よしながふみに始まって最近だとえすとえむやこの雲田はるこ、と少女漫画界隈とはまた違った種類の、より成熟した才能が揃っているように思う。
また広い感性を持った少女漫画家がここ数年青年誌に進出し始めたように、BL界隈からも一般誌で連載を持つ作家が多くなってきた。2010年に講談社から創刊された「ITAN」に掲載されている「昭和元禄落語心中」はそんな作品の一つ。
昭和末期、刑務所の中で昭和最後の大物と呼ばれた八雲師匠の落語を目にした元ヤクザは彼の落語に一目ぼれししてしまう。元ヤクザ、でも人好きのするお人よしである与太郎(バカで間抜けな男のあだ名)は八雲の所に押しかけ、何とか弟子にしてもらうことに成功して…。
まだ1巻しか出てないから書こうかどうか迷ったのだけれども、信頼できるおもしろさとある程度1巻で方向性は示されているので今の内に推しといてもいいかなと。今年出た1巻に限定すると、トップクラスの潜在能力があるのは確かだろうし。
何といっても表情がすばらしい。雲田はるこはまだ若い方だと思うのだけど、こんなに漫画的な意味で絵を達者に描ける人はなかなかいないだろう。ころころ変わる落語を演じる者の表情をユーモアたっぷり、魅力たっぷりにこの人は描き上げる。時には凍りつくように、時には馬鹿馬鹿しく、多彩に読者の心を揺さぶってくる。
もちろん漫画的な絵の上手さだけではなくて、画力も高い。入江亜季に影響を受けたのかな?、絵柄は似ている。関わりがあるかは分からないけれども。
多彩、というのは落語だけではない。与太郎が伝統芸能に体当たりで挑戦していく熱血パートが主軸であるものの、八雲の若き頃のライバルかつ親友であった故助六の死にまつわる話もその娘である小夏が絡みながら脇で進んでいく。与太郎に笑い、熱くなったかと思えば、小夏には何とも切なくなる。
そして極めつけは八雲師匠。この人が本当に素晴らしい。まず“美人”に枯れたオヤジを描ける作家というのが稀有。すっごくセクシー。こんなに特異かつ傑出したフェティッシュな感性を持っているのはさすがBL作家の面目躍如と言った所かもしれない。いや、与太郎が惚れる気持ちも分かりますわ(>違うだろ)。
ということで今年1巻が出た漫画としてはかなりおすすめ。新星という意味でもかなり衝撃を感じた作家さん。
春に出ると予告されている2巻を楽しみに待ってます。既にこの質で続いてくれるだろうな、と信頼しきっちゃってるくらいには練りこまれたおもしろさ。
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[投稿:2011-12-10 01:42:53] [修正:2011-12-10 01:46:07] [このレビューのURL]
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