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6点(レビュー数:1人)

作者中村明日美子

原作幾原邦彦

巻数3巻 (連載中)

連載誌KERA:2007年~ / インデックス・コミュニケーションズ

更新時刻 2012-09-17 16:20:19

あらすじ 世羅(せら)ヒツジと羽熊塚(はぐまづか)イタルはカケオチ中の恋人同士。2人は、警察と、大人たちに反抗するコドモたちの組織「燃えるキリン」からも追われている様子だ。通りすがりの教会に立ち寄った2人は、結婚式を挙げようとする。その教会には悪趣味の神父と、告解中だった2人の少女、まろにえとみゆたんがいた。神父がみずからの趣味のためにヒツジとイタルを気絶させ、ヒツジを連れ去ったとき、教会には「燃えるキリン」から“2人を確保する”という特命を受けた、狼森(いぬもり)エイジと世羅晶午(せらしょうご)がやってきた。神父から逃れたヒツジはイタルの元へ帰ろうとするが、晶午に連れ去られ、イタルはエイジに致命傷を負わせられる。そこに警察が教会を襲撃。ヒツジはエイジと晶午にさらわれ、イタルはまろにえとみゆたんの助けにより無事脱出。しかしさらわれたヒツジは記憶が混乱してまるで別人のようになり、イタルのことも忘れてしまう。一方、まろにえとみゆたんの助けで怪我から立ち直ったイタルは、3人でヒツジの救出に動き出す。そのころ「燃えるキリン」では独裁的な支配をしようとしている兎河(とがわ)ギンに対し、反対勢力が不穏な活動を始めているのだった。

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ノケモノと花嫁 THE MANGAのレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

6点 booさん

 ロリータ・ハードボイルドを謳うこの漫画、ちょっと購入を迷っていはいたもののこれが中々に幾原邦彦×中村明日美子のセンス大爆発の楽しい漫画でした。いやでもこれハードボイルドなのか?笑

 簡単にあらすじを説明すると、何やら逃亡中・カケオチ中のカップル、イタルとヒツジが結婚式を挙げようと通りがかった教会を訪れると変態神父に気絶させられ、さらには「燃えるキリン」の追っ手にヒツジが連れ去られてしまう。イタルはちょうど教会で告解中だったまろにえとみゆたんと共に脱出、ヒツジを救出する冒険の旅に出るのであった…みたいな。

 あらすじだけ説明しても何が何やら分からない。というか実際3巻まで読んできてもろくに何が何やら分かってないのよ。私はアニメに疎いので幾原邦彦という方はあまり知らないのだけれど、癖のある脚本を書くのはよく分かった。
 何というか、スポットを当てる所が普通の作品と圧倒的に違う。ここは力入れて物語るだろうって所で徹底的にぼやかす。世界が解き明かされそうな所で余裕のスルー。普通の作品が8割本筋2割遊びだとしたら、全くその逆を行っちゃってるとしか言いようがない。

 でもこれがけっこう楽しいんだよなぁ。物語が物語られず想像の斜め上に脱線していく感覚というか、もう何かわりとシリアスな話なのにも関わらず本筋どうでもいいというか、時に話が進んだらラッキーみたいな。何たってイタルがまろにえとみゆたんと共に、教会から脱出した後に向かうのはライブハウスなのだ。まろにえとみゆたんは「ハイデガー、ハイデガー」と白熱のライブを始め、それが何故かとっても楽しい。

 そういう癖のある脚本と台詞回しが幾原邦彦の素材だとすれば、やっぱりそれを食べやすく調理してくれているのは中村明日美子。大胆な画面構成と白と黒のゴシックロリータな格好良さはさすがだなぁと見惚れるばかり。この人かなり作品によって絵柄を使い分ける人だけれど、今作みたいなデフォルトを大胆に効かした絵まで描けるあたり本当に絵が達者だよなぁと思う。

 というわけでかなり癖のある作品ではあるのだけれど、原作作画どちらかのファンであれば楽しく読めると思う。絵も話も横道に一級品な素敵な漫画。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2012-09-17 16:36:25] [修正:2012-09-17 16:36:25] [このレビューのURL]


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