ホーム > 不明 > 短編集 > 薔薇だって書けるよ―売野機子作品集

8点(レビュー数:1人)

作者売野機子

巻数1巻 (完結)

連載誌短編集:2009年~ / 白泉社

更新時刻 2013-08-31 00:44:56

あらすじ コミティア初登場で読書会投票1位を獲得した『晴田の犯行』含め計7本収録。少女漫画の魅力にあふれた著者初のコミックス。

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薔薇だって書けるよ―売野機子作品集のレビュー

点数別:
1件~ 1件を表示/全1 件

「点子はとりわけ駆け上がるのが得意だった」という独白から始まる表題作がお気に入り。

「珍奇・奇天烈 絶滅危惧種 僕の点子」
「僕がなんでも教えてやるさ カナをふろう 辞書をひこうーー」
「あたしのこれまでのボーイフレンド みんなテールランプ派だったの」
「あたしヘッドライトのほうが好き」
「そいで あなたのこたえ聞いて あたしあなたしかいないと思ったわ」

セリフがいちいちツボなんだよなあ。

ドラマみたいな展開に憧れる、独りよがりで愛おしい女の子が頭のなかで思い描いたような、そんなお話たちだ。
売野機子はその絵柄やキャラ造形から、"古き良き少女マンガ"として語られることが多いようだが80〜90年代の少女マンガというものに触れていない私からすると新鮮に感じる。
これってある種、普遍的だっていうことなのではないかな。
作風を古く似せてあるのに(わざわざ似せたわけではないかもしれないが)今の時代においても受け入れられる。
作者の絶妙な感性がなければ不可能なことだ。

収録されている短編には、百合やBL風味、SFっぽかったりするお話も。
本の装丁ひとつをとっても恐ろしいほどかわいい。
抱きしめたくなるような一作。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2013-08-31 01:06:40] [修正:2013-08-31 01:08:34] [このレビューのURL]


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