「雫結晶」さんのページ

総レビュー数: 4レビュー(全て表示) 最終投稿: 2011年01月23日

熱血おバカ将棋漫画。
序盤は省略しつつもそれなりに将棋をしていた。文字山戦などなかなかにアツい。
しかし、しだいに将棋の対局内容が描かれなくなり、絵の勢いだけで押し切るようになってしまった。
そこが作者のウリでもあるのだろうが、作者自身もそれなりに将棋の腕があるのだから、もう少し将棋漫画として丁寧に描いて欲しかった。
結局のところ将棋が描きたいのか、勢いで魅せたいのかが良く分からない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-08-18 00:00:30] [修正:2011-08-18 00:00:30] [このレビューのURL]

ゆるーい日常系漫画の皮を被った硬派SF漫画。
全体として流れている雰囲気はまったりとしているのだが、出てくる外星人や様々な未来的アイテムはかなりしっかりとしたSFの体をしている。
日常なんだか非日常なんだかよく分からないこの絶妙な空気感はなかなか他にない。
ある程度SFものを好む人なら間違いなく妙な魅力にハマると思うし、そうでない人にもSF的世界観に触れてみる作品としてはかなり良質な部類に入るのではないかと思う。
あまり知名度はないが、もっと多くの人に読んで欲しい漫画。
作者の今後に期待。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-08-17 23:47:58] [修正:2011-08-17 23:49:15] [このレビューのURL]

元祖萌え4コマと呼ばれることもある漫画。
4コマの内容がキャラありきなことがある、という点では元祖とも呼べるかもしれない。
だが、昨今の萌えブームの中で雨後の筍の様に現れた数々の漫画に比べれば、遥かにしっかりした内容を持っている。
キャラクターの個性もしっかりしてる。
流石に、後に「よつばと」を描く人なだけはある。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-23 03:00:42] [修正:2011-01-23 03:00:42] [このレビューのURL]

9点 BLAME!

硬派SF漫画家である弐瓶勉氏のデビュー作。
この漫画、特筆すべき点は二点。

一つはセリフの圧倒的な少なさ。全十巻のセリフを全て寄せ集めても、普通の漫画一冊分にしかならないであろう少なさ。
あまりに少なすぎて、ただ字面を追って読んでいるだけでは物語の全容はほとんど把握できない。
主人公が黙々と進み続ける目的が何なのか、結局のところどういう結末を迎えたのかということさえ良く分からない。
しかし、二度三度と読み返し、コマの隅々にまで目をむけ、想像力を総動員させていると、しだいにBLAME!の世界の形がつかめてくる。読むたびに新たな発見がある。
そして、知らず知らずのうちに得体の知れない世界観にどっぷりとはまり込んで抜け出せなくなっているのだ。
このストイックなまでの言葉による描写の放棄は、読者の想像欲を喚起させる。

二つ目は、構造物の描写の巧さ。
建築関係出身だというだけあって、弐瓶氏の書く建造物は、まさに圧倒的質量をもって読者に迫ってくる。
超巨大構造物と、そこに居るちっぽけな人間の対比。
これが、単純に絵画として見ても面白いと同時に、BLAME!の世界観を成す重要な要素の一つともなっている。

この二つ以外にも、「重力子放射線射出装置」や「メガストラクチャー」などSF好きをくすぐる固有名詞の数々も魅力だ。
SF好きには間違いなくお勧めできるし、そうでない人にも一度読んでみて欲しい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-23 02:45:03] [修正:2011-01-23 02:45:03] [このレビューのURL]