「zeebra2001」さんのページ

総レビュー数: 11レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年03月23日

9点 BECK

誰しも思春期や、卒業間近になれば一度は思う「自分の人生はこれでいいのか?」。
極端な話、音楽に興味が無い人は何故主人公が周りに振り回されながらも、ギターを
覚えて世界に名高いバンドのボーカリストとして成長するのか理解出来ないと思います。
しかし、これは純粋な王道少年漫画です。努力すれば、報われるかも知れない。だけど
才能があっても社会に認められないバンドが現実世界にはごろごろいる。そんな中で
チャンスを勝ち取って、自分たちが作りたい物を目指す生き様は読者の心を離さないと
思える程、この漫画は構成力が凄まじいです。最初はキャラクターの造形はお世辞にも
上手いとは言えませんが、音楽を漫画で表現するのに「詩」や「擬音」は必要ないという
事を教えてくれました。どうやったかと言うと「音符とコマ割」を巧みに使い分ける事で
ライブの臨場感や一体感を演出する技法が、めちゃくちゃ上手いんです。確かに、普段
友達とミュージシャンのライブへ行く人や楽器が弾けてバンドやっている人にとっては
「リアル」とは感じないかも知れません。だけど、このBECKが凄いのが全然音楽が興味
無くて、むしろ嫌いだった自分や周りの友人をハマらせる程、魅力なストーリー展開や
伏線だった事、更に音楽の専門知識や歴史を分かり易く伝えているところが最高得点で
ある10点に近い数字を叩き出したのかと思います。唯一残念だったのが、アメリカ進出
してイギリスに渡るまでの経緯がちょっとダラケてしまった感じです。笑いあり、泣きあり、
新鮮味ありの三拍子揃った傑作です。最後に、画力も10巻まで読むと上がっており、特に
日本でのライブツアーは凄い名場面と台詞がたくさん用意されているので、興味がある方は
是非一度読んでみて下さい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-04-06 03:11:28] [修正:2010-04-06 03:29:06] [このレビューのURL]

ケロロ軍曹は、少年エースで連載中の「新世紀エヴァンゲリオン」を
読むついでに、読んでいましたがハマりましたね。特に昔の映画や
アニメのパロディ、それにガンプラについて熱く語る場面などは自分が
昔ボンボンで「超戦士ガンダム野郎」の影響でガンプラ(主にジオン軍)
やSDガンダムに熱中していた時を思い出しました。あの頃の思い出が
蘇ってくる感触は、今でも新鮮ですね。あと格闘ゲームやすごろくを
使った遊びは子供心をくすぐります。凄い話で感動したいとか、推理物の
ミステリーなどを望んでいる人には、あまりお薦め出来ませんが普段の
ストレスや少しリラックスしたい人には、気を抜いて楽しめる作品です。

また、この漫画を最大限に楽しむなら元ネタなどをネットなどで調べると
更に世界観が広がって面白いです。懐かしいなと思えるなら、どんどん好き
になっていく、とても愉快なケロロ軍曹となるでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-06 02:50:53] [修正:2010-04-06 02:50:53] [このレビューのURL]

1点 BLEACH

なんでしょうかね。最近の少年漫画家に多いのが『〜編』まで
面白いエピソードや展開が考えられるのに、それが過ぎて新章へ
突入するといきなり面白くなくなる漫画になってしまう。つまり、
オチが思いつかないのか、作者自身はマジ面白いと思っているのかの
どっちかですね。この漫画もルキアを助けるまでは良かったのですが
織姫を助ける展開はハッキリ言えば使い回しです。それなら、雨竜の
『死神VSクインシー』編を作って、裏切る展開の方が読者の興味を
引けると思います。女を助けて、次はライバルが第三勢力に説得されて
戦う羽目になるとか少年漫画的に燃える方向性を無視して、作者が
織姫萌えの展開を無理に押した結果、読者が離れてしまったのかなと。
たぶんルキアに嫉妬した織姫が、藍染を好きになって裏切る展開を
作者自身がベタだと思ったのでしょう。余計泥沼にハマってズルズルと
話を引き延ばしてしまった感じです。読んだら時間の無駄でしたね。

あとですね、下の方で自分の好きな作品が低い評価をつけて貶められる
筋合いは無いと叫んでいらっしゃいますが、それはエゴだと思いますね。
俺も好きな漫画、特にハンター×ハンターやワンピースに対しては全然
内容に触れず、絵とかで気持ち悪い、話が糞で下手など腐る程コメントを
見ました。それはもう、個人の自由ですし、嫌いな作品はやっぱり批判
されるんです。それをレビュアーがどうこう言うのは変だし、批判した
人を非難して自分の妄想をぶちまけるのは・・・ちょっと。それなら最初に
見る人に断って反論するんじゃなくて、ほっとけばいいんです。他人に
文句を言われようが、買うのは自分です。読者が作者を信じているから、
世の中に受け入れられると思います。それにネットで叩かれても、未だに
連載が続いているし、このブリーチも最初が良かったから、思い入れがある
読者が率直な意見を言っているかと。以上、長文で申し訳ありませんでした。

ナイスレビュー: 5

[投稿:2010-04-05 18:41:08] [修正:2010-04-06 02:28:33] [このレビューのURL]

最初ジャンプで新連載が決まって、凄い面白い漫画が始まったなと思いました。
特に主人公の体の秘密、忌まわしい過去やライバル達のキャラがとても上手く
立っていて、ギャグもセンスがありました。しかし、2部と言うべき成長物語
を描くのが、天才的に下手だったのが残念でありません。相変わらず、作画や
敵の心理描写にバトルシーンは上手いんですが、テーマが浅すぎる。いつまでも
裏切ったサスケに執着しているナルトやサクラが、まるで成長していない。更に、
「忍者」なのに隠密とか戦国時代の臨場感とか全く無いのが悔しい。忍者同士の
対立は『忍空』をイメージし、また既にやり尽くされた他国に潜入して極秘任務を
こなす展開を捨てて、里の中で繰り広げられる心理戦に重点を置いたから、やはり
ダラダラ感が読者に植え付けられたのでしょう。ハッキリ言えば、「せまい」んです。
何もかも。結局、ナルトの世界観が忍者の世界限定なので侍やお殿様など、他の職業
であるキャラクターが出てこないのが、全然成長していないのでしょうね。例に挙げる
ならばドラゴンボールやワンピースはどんどん、規模が大きくなり、ワクワク感を
演出出来ますが、ナルトとブリーチはだんだん、規模が小さくなり、内向的な世界を
読まされている気持ちになります。名作になる可能性がある分、誠に残念な漫画です。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2010-04-05 18:59:19] [修正:2010-04-06 02:08:46] [このレビューのURL]

ああ、DeathNoteのニアやハンター×ハンターのヒソカが
出てくる漫画でしたね。この蒼井かるらって奴の台詞はもろ
ヒソカです。そして、全然カリスマ性のかけらもありません。
こんな酷いパクリを作者がするならば、何故ギャグ漫画として
描けば良かったのにわざわざ、正統派のストーリー漫画にする
必要があったのでしょう。ハッキリ言って、意味不明な展開で
買う価値は微塵もありませんでした。以上。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-05 23:35:33] [修正:2010-04-05 23:37:43] [このレビューのURL]

これは友達の家にあって、他の友人達が話しているのにも関わらず
思春期で一番、夢中で全巻読んだ作品です。とにかく、画風が凄く
個性的で、「DEATH NOTE」や「天上天下」などの絵が綺麗な物
しか受け付けない人はお薦め出来ません。しかし、構成力と演出は
前者よりも圧倒的に面白いです。主人公を襲おうとする化け物が、
段々人間の優しさや勇気、諦めの悪さを見て主人公と一緒に人間に
仇なす妖怪達に立ち向かっていく様がカッコいい。特に最終局面での
ラスボスの意外な弱点や誰もが思う事をさらっと描くなんて藤田先生は
本当に少年漫画を熟知しているなと思いました。さらに、最後は泣けます。
途中でもハラハラしますけど、完結した後でガッカリする事は無かった最高傑作
は「うしおととら」しかありません。哲学や恋愛要素はほぼ無いですが、ともかく
何も考えずに熱くなれよと読者に問い掛ける一品です。読んで損は無いと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-05 19:37:04] [修正:2010-04-05 19:39:26] [このレビューのURL]

この漫画と出会えなかったら、「等価交換」とか「命の重さ」なんて
分からなかったと思います。ともかく、ストーリーとテンポが良すぎる。
自分たちの責任とはいえ、弟の体を取り戻す為の「賢者の石」探し。また
斬新とも言える錬金術の法則や国家試験による現実世界にも通じる厳しさ。
戦争による悲劇に矛盾、更には謎の人造人間が国家を運営していると言う
設定は素晴らしいです。ただ、魅力あるキャラや動きは良いんですが背景や
機械の表現がちょっと雑なのが惜しい。もうちょっと描き込めば、リアリティ
が出るのに、面倒だから省いている。あと演出はハッキリ言えば「どっかで
見た事ある映画」からの模倣ですね。それでも、現在2大人気を誇る少年誌
で描かれている二流漫画よりも、王道で泣ける少年漫画だと思います。うん。
まだまだ発掘されていないテーマやジャンルがある事を教えてくれる名作です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-04-05 19:13:17] [修正:2010-04-05 19:13:17] [このレビューのURL]

この作品と初めて出会ったのは小学5年生かな。週刊少年ジャンプの連載陣の中で、
鳥山明とは違う絵の上手さを見て、確信した。この作者は凄い才能を持っている、と。
15巻から、特にその才能を感じた。絵にもの凄い描き込みがあると思えば、心理描写と
しての余白や薄い鉛筆で書いた様な表現。最初はもう疲れたのかな、と思ったけれど
BSマンガ夜話をテレビで観て、意見が変わった。この作者は覚醒して、自分の画風を
模索しながら、辿り着いた境地があの絵だと。今までは某有名漫画家や同人作家の絵を
自分なりにアレンジしたが、やがて本当に描きたい絵(アニメっぽい絵じゃなくて絵画
のような人物表現)が下地に出てきてしまったらしい。絵に関してこだわりが強く、また
ストーリーも魔界編に突入後はジャンプお決まりのバトル中心に話が進むが、そこでも
飛影と蔵馬による二人が育った家庭環境を抜群の心理描写で表現し、さらに仙水編では
「テリトリー」と呼ばれる頭脳戦で、他の漫画家とは違う路線を通した。特にご都合主義や
パワーVSパワーの様に単純な力比べで読者を掴んでいったジャンプの漫画には無い、幽白
独自のtaste(味)は感服する。最後に言えるのは、この漫画を描ける人間は天才だと言える事。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-25 15:16:01] [修正:2010-03-25 15:16:01] [このレビューのURL]

8点 レベルE

一言で言えば、ある種の社会風刺漫画とも言える。
バブルが崩壊して、デフレに陥った日本では雑誌が
全盛期に比べて売れず、また自国に対して愛国心や
自分に対しては悲壮感漂う未来像、そして創造力が
満ちあふれていた70年代とは違う90年代の漠然と
した消費文化を十分に皮肉っている。主人公の住む田舎で
いきなり宇宙人が現れる設定は、高度成長経済の中で進んだ
技術や文化を持った東京人が田舎の純真な少年に対しての
嫉妬や都会なんてこんな物だと失望感が入り交じった考えから
生まれたと思う。一方の主人公も、宇宙人という事で何でも
出来たり、自分よりも頭がいいと憧れを抱くが実際はバカで
とんでもない性格の持ち主だというのも作者が抱く「東京」の
アンチテーゼに近い。また、コンウェル星人という女を食べて
子供を産むという宇宙人も、現実世界で女性に対して未だに
偏見や差別、また社会進出して「強くなった女性」に何も言えない
弱くなった日本の「親父」を皮肉った設定だと感じた。援助交際と
いう、90年代が生み出した文化は金を払わないと相手にされない
男性が「種」を残して、自分を足跡を残したい「性」は、まさに
「食人鬼」の裏設定だろう。単なるSFコメディとしても面白いし、
ゲーム性を持った社会風刺漫画として読めば、また更に見聞を深める
作品だと個人的に思いました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-03-23 13:23:50] [修正:2010-03-23 13:23:50] [このレビューのURL]

「幽遊白書」の頃から追いかけてきた自分にとっては、前作を超える期待度と誰にも
予想出来ない意外性を突いた傑作だと思える作品。「レベルE 」で培った“表現”と話を
盛り上げる“伏線”は未だに健在なのが凄い。単純で娯楽に走った陳腐な作品が並んでいる、
週刊少年ジャンプの中で「心理戦」や「表現の限界」に迫ろうとする芸術作品を描けるのは
冨樫義博しかいない。しかし、現在では遅筆に重なって休載が多く、せっかくテンションが
上がって展開を待っている読者を置いてきぼりにしている感が否めない。そのうち、誰も彼に
期待しなくなり、離れていくのではないかと心配になってしまう。いずれにせよ、破綻せずに
作者が望む結末で完結してほしい。また休載の度に、作者は信じている読者も忘れないでほしい。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-03-23 12:53:13] [修正:2010-03-23 12:53:13] [このレビューのURL]

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