「玄米茶」さんのページ

総レビュー数: 17レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年09月28日

元気で素直なちーずと、少し暗い過去を持つ村野君の恋と、その周りの人々の織り成すドラマを描く少女マンガ。

恋愛というよりも、人間関係のドラマが話の中心で、ストーリーで読者を引っ張っていこうという気合を感じる。登場人物も常識のある人たちが多く、ほのぼのというか、いい意味で地に足の着いた感じがある。絵も、笑顔がイイよなあと私は思うます。

すぐれたマンガなので、もっと多くの人に読まれてほしいと思います。

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[投稿:2013-05-25 21:57:19] [修正:2013-05-25 21:57:19] [このレビューのURL]

少女マンガだけど、テーマはセックス。

思春期には誰にでも訪れる、自らの肉体・精神の変化に対する混乱と、それに伴う人間関係の破綻が描かれる。読み手の内面に切り込んでくるような話が、少女マンガという器にかろうじで盛り込まれている。

行き着くところまでいった、という感じのラストだけれど、それでも明日を感じさせるのがとてもイイです。

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[投稿:2013-05-25 21:31:13] [修正:2013-05-25 21:35:22] [このレビューのURL]

9点 呪街

「呪力の発症」のシーン、これはモロに自己臭恐怖症のイメージ。思春期特有の病的な心理を描く。

超能力者同士の戦いなのだが、登場人物達の印象深いヘンな仕草が入口となり、相手の脳を狙い合う戦いに妙な肉体性を感じてしまう。これがこのマンガの最大の味になっていると思う。

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[投稿:2012-06-28 00:26:29] [修正:2012-06-28 00:26:29] [このレビューのURL]

とても楽しく読みました。買ってよかったと思っています。

前半の企画モノもいいけど、後半、嫁さんが登場してからの方がグッと面白い気がします。結婚に向かっての盛り上がり方はスゴイですが、4コマでオチをつけながらやっているのがイイですね。話の核で、人生論かますような所でギャグかますのがイイですね。自分の人生を見詰めて、出てくるのは自己完結よりも笑いの方がイイですよね。

カラスヤさんのマンガを一度でも楽しく読んだことがあるなら、是非買ってみて下さい。買って読むマンガですよ、コレは。

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[投稿:2012-06-26 00:34:52] [修正:2012-06-26 00:34:52] [このレビューのURL]

9点 男樹

北陸の村田京介少年が、血で血を洗う抗争を通じて日本のヤクザのトップに登りつめていく物語。全6巻という巻数らしくストーリーが締まっていて、本宮ひろ志のイイところが詰め込まれています。

「男樹」というタイトルが示す通り、男の人生を「樹」に例えたようなマンガです。「樹」が大きく育つ為には、その為に死ぬ、他人という「こやし」が必要になります。自分が大きくなる為に他人を殺すことを正当化できるのか…。本宮マンガの主人公達は必ず此処で躊躇し、悩みます。

このマンガの主人公村田京介も、この問いに悩み、最後に彼らしい結論を出します。ある意味「筋が通ってない」その姿を魅力的に描くのも、本宮マンガの懐の深さにつながっているのだと思います。

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[投稿:2011-09-30 00:29:49] [修正:2011-10-09 00:26:23] [このレビューのURL]

白内障が発病して、進行してゆき、手術をして、回復していく一連の視覚イメージをマンガで表現した、画期的な作品。小林よしのりといえば「ゴー宣」のイデオロギッシュなイメージが強いが、これは無思想の純エンターテイメントだ。

エッセイというかルポというか、実体験系のマンガではかなり面白い部類のモノだと思う。独特な日常の切り取りかた、テンポ良くときには大胆なコマ割り、頻繁に入るギャグ、そして眼病への怖いもの見たさ的な興味などの要素が相まって、面白く読める佳作となっている。

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[投稿:2011-02-28 14:25:23] [修正:2011-10-02 22:29:11] [このレビューのURL]

「オレは、武藤兵庫! ミンナは、オレのことをコッセツって言うがな…」

大学受験を2浪している浪人生の諏訪大吉は、ひょんなことから、筋骨隆々の大男「コッセツ」こと武藤兵庫と知り合いになる。2年前には高校ラグビー界のスーパースターであった武藤だが、試合中に両腕・右足骨折、両アキレス腱断裂の大怪我をしてしまう。ほどなくして彼はラグビーを辞め、「なんでも屋」をしながら日本中を旅する素浪人として暮らしていた。

一方、元高校球児でもある諏訪大吉には、「ラッキュー」というアダ名があった。彼は、2年前の甲子園決勝、美砂城高校サヨナラ逆転タイムリーエラーの張本人であったのだ…

「挫折」とはどのようなものなのか、そこからどうやって再び立ち上がっていくのか、それらを正面から描いたマンガ。真面目さが時に暗く見えてしまうラッキューと、バカ強いのにトボケた感じのあるコッセツのコンビはとてもイイ。この2人の放つ剥き身の言葉は、マンガが連載されたバブル期ならいざ知らず、今の若者の心に突き刺さるものがあるのではないかと思う。全4巻、是非読んでみて欲しい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-01-08 13:34:25] [修正:2011-07-30 22:22:50] [このレビューのURL]

ベルセルクの主人公ガッツはタフで強いが、本質的にはシャイな男だ。必然的に彼の戦いは、欲望と意志、他人と自分との間で揺れ動く思春期的なものとなる。

暗く煮えたぎる想いを黒い甲冑で覆い隠し、「欲望」という怪物と対峙するガッツの姿に、読者は、自分の人生を生きるために「戦いたい」自身の姿を重ね合わせる。深く傷つきながらも壮絶な戦いを続けるガッツの生きざまは、思春期という戦場を通過した(と思い込んでいる)人間が持つ挫折感を、内側から突き動かすのである。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-28 00:40:59] [修正:2011-05-02 00:05:30] [このレビューのURL]

山岸涼子のマンガでは、不幸になるべき人間は不幸になる。マンガ的なドンデン返しはほとんど起こらず、非情な現実は哀れな登場人物たちを押し潰していく。「ここでこいつはこうならなきゃウソだ!」と言わんばかりの展開を読んだ読者は、「ああ…でも山岸涼子分かってるじゃん!!」という面白がりかたをする。「分かってるじゃん」と思うのは、もちろん自分の過去を鑑みてのことだろう。上質な「悲劇」は、読み手の人生の反省会みたいなモンかもしれない。


「悲劇」を描くのがとても上手い作者だが、このマンガはそのなかでも筆頭。もちろん「テレプシコーラ」や、短編では「天人唐草」などもチェックして欲しい。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-04-15 23:50:42] [修正:2011-04-15 23:50:42] [このレビューのURL]

切られた描写が、大変痛そうなマンガである。見ていると背中がムズ痒くなってくる。必要以上に、読者の「感覚」を刺激しようとする表現である。

登場人物たちの立ち姿はとても美しいが、薄皮一枚剥がせば、臓物という現実があふれ出る。現実とは思想ではなく身体に宿り、理性によってではなく感覚によって規定される。マンガが最も心をくだくべき課題であるように思う。

あと、終盤の伊良子の変化であるが、人が成長するときは、あんな風に突然だと思う。そこはとてもリアルだと思う。



ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-01 11:20:24] [修正:2011-03-20 21:09:01] [このレビューのURL]

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